就労移行支援とは?就労継続支援との違いやメリット、デメリットを紹介

福祉制度
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障害があることを理由に、就労への一歩を踏み出せず悩んでいませんか。

働くことへの不安を取り除いてから、自分に合う仕事を見つけたい方は、就労移行支援の利用を検討してみましょう。

就労移行支援とは、障害や難病のある方を対象に、就労に向けたスキルアップや仕事探し、就職活動のサポートを受けられるサービスです。

今回は就労移行支援の概要や就労継続支援との違いを紹介します。

メリットやデメリットも紹介しているので、就労移行支援に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

2023-1-13
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就労移行支援とは

2023-1-13

就労移行支援とは、障害のある方を対象に、就労に必要な訓練や適正に合った職場探しのサポートをする福祉サービスです。

まずは、就労移行支援の対象者とサービス内容を解説します。

対象者

就労移行支援の対象者は原則、次の要件をすべて満たす方です。

  • 18歳以上65歳未満の方
  • 障害や難病のある方
  • 一般企業への就労が可能であると見込まれる方

障害者手帳の有無に関わらず、医師や自治体の判断により、サービスが受けられる場合があります。

また、要件によっては65歳以上の方でも利用できるケースがあるため、自身が対象となるか知りたい方は、自治体の窓口に相談してみましょう。

サービス内容

就労移行支援は通所することで、主に以下の4つのサービスを受けられます。

  • 就職に向けたトレーニング
  • 適正に合わせた求人の紹介
  • 履歴書の添削や面接指導
  • 職場定着の支援

就職に向けたトレーニングには、ビジネスマナーやパソコンスキルなどを学べるプログラムがあります。

ただし細かいサポート内容は、就労移行支援を提供する事業者ごとによって異なるので、あらかじめホームページを確認したり、問い合わせたりするとよいでしょう。

就労移行支援の利用期間は原則、最長24ヶ月です。

24ヶ月を超えて利用する際は、自治体の窓口への申請が必要となります。

利用料金

就労移行支援の利用料金は、通所する事業所によって異なります。ただし、1ヶ月ごとの上限額が以下のように定められているため、上限額以上の負担は発生しません。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得住民税が非課税の世帯0円
一般1住民税の所得割が16万円未満世帯※
(収入が概ね670万円以下の世帯)
9,300円
一般2上記以外37,200円
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市民村民税課税世帯の場合「一般2」となります

所得割は、所得課税証明書や市民税・県民税の通知書から確認できます。

なかには、就労移行支援事業所の通所にかかる交通費を助成してくれる自治体もあります。

利用料金や助成制度について詳しく知りたい方は、自治体の窓口に確認しましょう。

就労移行支援と就労継続支援との違い

2023-1-13

就労支援にまつわる障害福祉サービスのなかには、就労継続支援A型・B型と呼ばれる支援があります。

就労継続支援とは、障害がある方が働きやすい職場を提供するためのサービスです。

それぞれの違いは以下の通りです。

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 就労に必要な訓練や適性に合った職場探しをサポートする 就労や生産活動の機会を提供し、働くために必要となる知識やスキルの向上を図る
対象者 障害や難病のある、一般企業への就職を希望する方 一般企業への就職が困難である方
雇用契約 なし あり なし
賃金 原則なし あり
年齢制限 65歳以上 (要件によっては65歳以上も利用可能) なし
利用期間 原則最長24ヶ月 なし

就労移行支援を利用するメリット

2023-1-13

就労移行支援を利用するメリットは、主に以下の3つがあります。

  • 障害者の就労支援に詳しいスタッフがいる
  • 就労するための準備ができる
  • 就職後もサポートが受けられる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

障害者の就労支援に詳しいスタッフがいる

就労移行支援を利用する最大のメリットは、障害者の就労支援に詳しいスタッフによるサポートが受けられることです。

障害への理解があるスタッフが対応してくれるため、自分の悩みを相談できるでしょう。

また、履歴書作成や面接対策のサポートも受けられるので、就職活動もスムーズに進められます。

就労するための準備ができる

就労移行支援の利用により就労への準備が整うと、働くことへの不安が軽減されるでしょう。

就労移行支援では働くうえで必要なビジネスマナーやパソコンスキル、コミュニケーションスキルを身に付けられます。

また、定期的に通所すれば生活リズムが整い、体調やメンタル面の安定につながります。

スキルの取得や心構えができると、自分の働いている姿がイメージできるようになり、就労への不安が和らぐでしょう。

就職後もサポートが受けられる

就職後も職場定着の支援を受けられる点は、就労移行支援ならではのメリットです。

職場定着の支援では、就職後に面談や職場への訪問を実施し、就労者が働きやすい職場かを確認してくれます。

職場には直接言いにくいことでも、信頼関係ができている就労移行支援のスタッフには、相談しやすい場面もあるかもしれません。

職場での悩みを相談すれば、会社との間に立ち、双方が気持ちよく働けるような改善案を提案してくれるでしょう。

就労移行支援を利用するデメリット

2023-1-13

就労移行支援を利用するデメリットは以下の2点です。

  • 利用中は収入が得られない
  • 利用料金がかかるケースがある

それぞれの詳細を確認したうえで、利用を検討しましょう。

利用中は収入が得られない

就労移行支援に通所している期間は、原則としてアルバイトが認められていません。

そのため、通所している間、どのように生計を立てるかは事前に検討しておく必要があります。

ただ就職先が早く決まれば、その分通所期間は短くなるので、すべての人にとってデメリットになるとは言い切れないでしょう。

また、アルバイトを認めている自治体もあるので、金銭面に不安がある方は事前に確認しておくことをおすすめします。

利用料金がかかるケースがある

先述した通り、世帯収入によっては就労移行支援の利用に料金がかかる可能性があります。

ただ、生活保護を受けている場合や、住民税非課税世帯である場合は、どれだけ通所しても利用料金がかかりません。

利用料金を理由に通所を諦める前に、自治体の窓口に確認してみましょう。

就労移行支援を利用する流れ

2023-1-13

就労移行支援を利用する流れは以下の通りです。

  1. 就労移行支援事業所を探す
  2. 事業所に問い合わせて見学にいく
  3. 通所したい事業所を決定する
  4. 自治体の障害福祉課などの窓口に申請する
  5. 就労移行支援事業所と利用契約を結ぶ

就労移行支援事業者の情報は、自治体の窓口やハローワーク、通院している医療機関などから集められます。

就労移行支援事業所を探す際は、検索サイトを利用して、プログラムの内容や就職実績などを参考に通いたいところを見つけましょう。

就労移行支援事業所を探す - 障がい者としごとマガジン
障がい者としごとマガジンの事業所検索ページです。各事業所の特徴、利用者の声、就職実績などの情報を掲載。全国の就労移行支援事業所からご自身が通える事業所を検索することができます。

就職に不安を感じるなら就労移行支援の利用を検討しよう

就労移行支援とは、障害や難病のある方を対象に、就労に向けたスキルアップや職場探し、就職活動のサポートを受けられるサービスです。

利用するメリットは障害に理解のあるスタッフから就労サポートが受けられる点です。

スキルを身に付けたうえで、自分に合う職場をじっくり見つけたい方は、ぜひ利用を検討してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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