就労継続支援A型とは?B型との違いや対象者をわかりやすく解説

福祉制度
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収入を得たくても、障害を理由に働くことへの不安を感じて、どのような働き方をすべきか悩んでいませんか。

サポートを受けながら働きたい方は、就労継続支援A型の利用を検討してみましょう。

就労継続支援A型とは、障害や病気のある方に向けて、一定のサポートを受けながら働ける機会を提供する福祉サービスです。

今回は就労継続支援A型の概要とメリット、デメリットを紹介します。利用するまでの流れも紹介するので、利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

2023-1-25
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就労継続支援A型とは

2023-1-25

就労継続支援A型とは、障害や難病のある方に対し、一定のサポートが受けながら働ける場を提供する福祉サービスです。

雇用契約を結ぶので、給料をもらいながら一般就労に必要な知識・スキルを身に付けられます。

まずは、対象者や具体的なサービス内容、仕事内容を紹介します。

対象者

就労継続支援A型は原則、18歳以上65歳未満の障害や難病のある方が以下のいずれかに当てはまる場合にサービスを受けられます。

  • 就労移行支援などを利用したが、雇用に結びつかなかった
  • 盲・ろう・特別支援学校を卒業後、就職活動をしたが雇用に結びつかなかった
  • 就労経験があり、現在は働いていない

たとえば「特別支援学校を卒業したが、体力などの問題で一般就労が難しい人」や「障害を理由に離職したが、再度就労の機会を通して能力を高めたい人」などが対象です。

また、障害者手帳を持っていない方や65歳以上の方でも、一定の条件を満たすと対象となる可能性もあります。

自身が対象となるかは、自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

サービス内容

就労継続支援A型では、雇用契約を結んで働きながら、一般就労に必要な知識やスキルを身に付けられます。

就労継続支援A型を提供する事業所のスタッフからサポートを受けられるため、困ったときは相談しやすい環境といえるでしょう。

利用期間に制限はないので、基本的には自分のペースで一般就労に向けた準備ができます。

仕事内容

雇用契約を結ぶ事業所によって異なりますが、代表的な仕事内容は以下の通りです。

  • 梱包作業
  • データ入力
  • 清掃作業
  • 農作業
  • 配達業務

1日の労働時間は4~8時間が目安とされ、一般的に本人の体調を考慮して決められます。

給料

就労継続支援A型は雇用契約を結ぶので、原則として最低賃金を基準とした賃金が支給されます。

平均賃金は以下の通りです。

年度時間額月額
令和2年度899円79,625円
令和元年度887円78,975円
参考:厚生労働省「令和2年度(賃金)の実績について

厚生労働省のデータでは都道府県ごとの平均賃金も見られます。

地域ごとに多少違いがあるので、気になる方は確認しておきましょう。

利用料金

就労継続支援A型を利用する際は、世帯収入によって料金がかかる可能性があります。

基本的に支援を受ける事業所に通った日数分だけ料金がかかりますが、以下のように1ヶ月ごとに上限額が定められています。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得住民税が非課税の世帯0円
一般1住民税の所得割が16万円未満世帯※
(収入が概ね670万円以下の世帯)
9,300円
一般2上記以外37,200円
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」となります

表のように生活保護を受給している世帯や住民税が非課税である世帯は、通所日数に関わらず利用料金が一切かかりません。

自身の収入にあわせて利用を検討してみましょう。

就労継続支援A型とB型の違い

2023-1-25

就労継続支援にはA型とB型があり、いずれも働く場所を提供する福祉サービスです。

大きな違いは雇用関係の有無と対象者の年齢の範囲です。

就労継続支援A型就労継続支援B型
対象者原則18歳以上65歳未満年齢制限なし
雇用契約ありなし
平均賃金
(令和2年度)
月額79,625円
時間額899円
月額15,776円
時間額222円

A型は雇用契約を結んでいるため、都道府県の最低賃金に基づいて報酬が支払われます。

一方、雇用関係を結ばないB型は、賃金が低くなりやすい傾向があります。

ある程度安定して働ける方はA型、体調面により長時間の就労が難しい方はB型を選択するのが一般的です。

就労継続支援と就労移行支援の違い

2023-1-25

障害者の就労をサポートする福祉サービスには、就労移行支援と呼ばれるものもあります。

就労移行支援は、一般就労に必要な知識やスキルを身に付ける訓練や、適性に合った職場探しの支援が受けられるサービスです。

就労継続支援A型と就労移行支援の違いは以下の通りです。

就労継続支援A型就労移行支援
対象者一般企業への就職が困難で
ある方
障害や難病のある、一般企業
への就職を希望する方
雇用関係ありなし
賃金あり原則なし
利用期間定めなし原則最長24ヶ月

原則、就労継続支援A型と就労移行支援は併用できないため、自身の体調を考慮したうえでどちらを利用するか決める必要があります。

就労移行支援は利用期間が定められているので、体調などの問題で一般就労が難しい方は、先に就労継続支援A型を通して自身のペースで働ける環境を探すのがよいでしょう。

ステップアップして一般企業への就職を視野に入れたいと思ったときには、就労移行支援へ切り替えて一般就労を目指します。

就労移行支援については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

就労継続支援A型を利用するメリット

2023-1-25

就労継続支援A型を利用して就労するメリットは、給料をもらいながらサポートが受けられることです。

障害や体調を理由に収入を得たくても、働くことが難しい方は多くいます。

なかには「負担の軽い仕事内容であれば大丈夫かもしれない」「サポートがあると安心して働ける」という人もいるでしょう。

就労継続支援A型では、サポートを受けられるうえ、通常のアルバイトやパートとさほど変わらない時給をもらえます。

そのため、就労継続支援A型は「働くことへの不安があるが、すぐに収入を得たい」という方におすすめの福祉サービスです。

就労継続支援A型を利用するデメリット

2023-1-25

人によっては、就労に向けたサポートや訓練が充実していないと感じる可能性もあります。

就労継続支援A型は基本的に働きながらスキルを伸ばすことが前提です。

就労移行支援のように通所していないため、じっくりビジネススキルを学ぶことが難しいのが現状です。

そのため、集中して知識や能力を身に付け、可能な限り早く一般就労を目指したい方は物足りなさを感じるかもしれません。

ただ、「働きながら社会復帰を目指したい」という場合は、個別でサポートを受けながら働ける就労継続支援A型を選ぶとよいでしょう。

就労継続支援A型を利用する流れ

2023-1-25

就労継続支援A型を利用する一般的な流れは、以下の通りです。

  1. 事業所に問い合わせて相談・見学に行く
  2. 履歴書やハローワークの紹介状を用意して面接を受ける
  3. 自治体の窓口で「障害福祉サービス受給者証」の交付を受ける
  4. 利用契約の手続きをして利用開始する

事業所によって必要書類や流れが異なる場合があるので、問い合わせる際や見学に行く際に確認しておきましょう。

就労継続支援A型を利用して働きながらスキルアップを目指そう

就労継続支援A型とは、障害や難病のある方に向けて、サポートを受けながら働ける場を提供するサービスです。

雇用契約を結んで働くため、都道府県の最低賃金に基づいて報酬が支払われるメリットがあります。

「働くことへの不安があるがすぐに収入を得たい」「まずは働きながら社会復帰を目指したい」という方は、ぜひ利用を検討してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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