障害児入所施設とは?入所費用や流れ、入れないときの対処法を解説

福祉制度
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障害児入所施設は、障がいのある児童が長期的に入所してさまざまな支援を受けられる施設です。

食事や排泄、入浴など全般的な介護のほか、日常生活訓練やコミュニケーション訓練なども受けられます。

しかし、障害児入所施設は18歳までの児童を対象としていたり、空きがなく入所できなかったりすることに注意が必要です。

そこで本記事では、障害児入所施設への入所の流れや費用、入所できないときの対処法を解説します。

障がいのある児童を育てていて施設入所を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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障害児入所施設とは

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障害児入所施設は、児童福祉法に基づいたサービスである「障害児入所支援」を受けられる施設です。

2012年4月以前は障がいによって入所できる施設を分けていましたが、現在は障がいのある児童の入所施設を一元化し、すべて障害児入所施設と呼ぶようになりました。

ここでは、障害児入所施設の対象者や費用などを解説します。

対象者

障害児入所施設の対象者は、以下の通りです。

  • 身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいのある18歳未満の児童
  • 児童相談所、市町村保健センター、医師などから療育を受ける必要があると認められた児童

これらに該当する児童が対象となり、障害者手帳の有無は入所可否に影響しません。

なお、入所支援を継続しなければ本人が適切なケアを受けられないと認められる場合は、例外として満20歳まで利用できます。

施設の種類

障害児入所施設は、福祉型と医療型の2種類に分かれます。

それぞれの施設で受けられるサービスは、以下の通りです。

種類 受けられるサービス
福祉型 ・食事や排泄、入浴などの介護
・日常生活の相談支援、助言
・コミュニケーション支援
・身体機能訓練や日常生活能力の訓練 など
医療型上記に加えて
・疾病の治療
・看護
・医学的管理 など

医療型は病院に併設されていることが多く、肢体不自由や重症心身障がい、知的障害(自閉症)の児童などが対象となります。

医療的管理が必要な児童は医療型、福祉的なサポートが必要な児童は福祉型を利用するとよいでしょう。

費用

障害児入所施設の入所費用は、サービス費や食費、医療費、光熱水費などがかかります。

サービス費は、所得に応じた負担上限月額が以下のように決められています。

区分負担上限月額
生活保護0円
低所得
(市町村民税非課税世帯)
0円
一般1
(市町村民税課税世帯かつ所得割28万円未満※)
9,300円
一般2
(上記以外)
37,200円
※収入が概ね920万円以下の世帯が対象

これらのサービス費に加えて食費や医療費、光熱水費などがかかりますが、入所施設の種類によって以下の減免を受けられます。

種別減免対象
福祉型 食費、光熱水費
医療型サービス費、食費、光熱水費、医療費を合算した額

これらの費用は、低所得と一般1の世帯が5万円、一般2の世帯は7.9万円が上限額となり、超えた金額が助成されます。

上限額は、地域で子どもを育てる場合と同様の負担になるように設定されています。

また、同一世帯に障害福祉サービスなどを利用している方がいる場合、世帯の負担基準額を超えた額の払い戻しを受けられる可能性があります。

世帯の所得によって異なるので、詳しくは自治体の障がい福祉担当の窓口に確認しましょう。

障害児入所施設へ入所するまでの流れ

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障害児入所施設に入所するまでの流れは、以下の通りです。

  1. 最寄りの児童相談所に入所相談をする
  2. 入所したい施設が決まったら、児童相談所に申し込みをする
  3. 児童相談所が障がいの程度や種類などの調査を行う
  4. サービスの支給決定後、施設に受給者証を提示する
  5. 施設と入所契約を行い、利用開始となる

障害児入所施設へ入所を希望する際は、まず児童相談所に相談します。

最寄りの児童相談所は厚生労働省のホームページで確認してみましょう。

入所施設を決めるときは、事前に施設見学をして、施設内の雰囲気や受けられるケアなどについて理解したうえで、入所の申込みをすることが大切です。

なお、申し込み時の必要書類は地域によって異なる場合があるので、入所相談時に確認しておきましょう。

サービスの支給決定後、福祉型は入所受給者証、医療型は入所受給者証と障害児施設医療受給者証が発行されます。

障害児入所施設に入所する際の注意点

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障害児入所施設に入所する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 18歳になったときは退所しなければならない
  • 入所できない場合がある

18歳になったときは退所しなければならない

上述したように、障害児入所施設は18歳未満の障がいのある児童を対象としているので、原則18歳以上は退所しなければなりません。

18歳以降は児童福祉法から障害者総合支援法に基づいた支援に移行し、就労支援や自立訓練などを受けることになります。

ただし、退所することで必要なケアが受けられなくなると児童相談所長が判断した場合は20歳の誕生日前まで在籍できる可能性があります。

また、18歳になったからといって急に退所させられるわけではなく、18歳以前の一定年齢から徐々に移行準備が進められるので、少しずつ準備していくことが大切です。

本人にとってよりよい施設に移行できるよう、施設職員としっかり相談しておきましょう。

入所できない場合がある

障害児入所施設は、施設数が少なく入所を希望しても空いていない可能性があります。

なかには、50名以上待機者がいる施設があったり、空いていても自宅から遠かったりすることもあるでしょう。

入所ができない状況を防ぐためにも、可能な限り早く申し込んでおくことが大切です。

各施設の待機状況は自治体のホームページに載っている場合もあるので、確認してみましょう。

障害児入所施設に入れないときの対応方法

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障害児入所施設に入れないときは、障害児通所支援やショートステイの利用を検討しましょう。

障害児通所支援は利用する児童の年齢に応じて、児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援と名称が分けられています。

通所することで日常生活の基本的なことを訓練したり、集団生活を経験したりすることができます。

ショートステイは、短期間の入所ができる障がい福祉サービスです。

保護者が冠婚葬祭や旅行に出かける際や、休息を取りたいときなどに利用できます。

長期入所ではありませんが、定期的に利用することで親自身のリフレッシュにつながるメリットがあります。

利用を希望する場合は、自治体の障がい福祉の窓口で相談してみましょう。

障害児入所支援を利用して必要なサポートを受けよう

障害児入所支援は、障がいのある児童を対象とした入所施設です。

18歳未満かつ児童相談所や医師などから入所の必要性を認められた障がいのある児童が、必要な支援を受けられます。

しかし、18歳になるとほかの入所先を探す必要があったり、施設に空きがないことで入所できなかったりすることに注意が必要です。

障害児入所施設へ入所できない場合は、通所支援やショートステイの利用も検討しましょう。

障がいのある児童が日常生活に関わる必要なことを訓練したり、介護者の日中の介護負担を軽減したりするメリットがあります。

障がいのある児童の入所や通所について聞きたい場合は、自治体窓口や児童相談所に相談してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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