治療用装具と補装具の違いは?使い分けや製作の流れも解説

福祉制度
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医師から装具の製作を勧められて「治療用装具と補装具は何が違うのか」「自分はどちらを作ればよいのか」といった疑問をもっている方もいるのではないでしょうか。

治療用装具と補装具では、製作目的や申請の流れが異なります。

違いを正しく理解せずに手続きを進めると、製作費の助成を受けられず、全額自己負担することになるため、注意が必要です。

そこで本記事では、治療用装具と補装具の違いやそれぞれの製作の流れを解説します。

装具を製作する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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治療用装具とは

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治療用装具とは、手術直後や治療期間中に患部を固定したり、リハビリを進めたりするために使用する装具のことです。

具体的には、以下のような装具が挙げられます。

  • サポーター
  • コルセット
  • 関節用装具
  • 治療用義足 など

治療用装具は健康保険法に基づき、医師が治療のために必要と判断した場合に限り製作が認められます。

治療中に使用するものであるため、ケガが治癒したり症状が固定したりした後は、健康保険を利用した作り替えや修理はできなくなります。

なお、保険適用で製作できるのは原則として1つのみです。

洗い替え用などの予備を目的としたものは、治療のために必要と認められないため、希望する場合は全額自己負担となる点に注意しましょう。

補装具とは

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補装具とは、ケガや病気で失われた身体機能をカバーし、日常生活や社会生活を円滑に送れるように使用する装具のことです。

一般的に、治療用装具での治療期間を終えた後、継続して装具が必要な場合に製作されます。

具体的には、以下のような装具が挙げられます。

  • 車椅子
  • 義手、義足
  • 補聴器
  • 義眼
  • 座位保持装置 など

補装具は、長期的に使用することを前提としており、本人の生活スタイルに合わせて使いやすく調整されるのが特長です。

単なる道具ではなく身体の一部として機能するものであるため、義肢装具士などと相談しながら、仕様を決めることが大切です。

治療用装具と補装具の違い

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治療用装具と補装具の違いは、以下のとおりです。

治療用装具補装具
目的病気やケガの治療・リハビリのために使用する日常生活や就労の際の動作をサポートするために使用する
使用時期入院中~症状固定まで症状固定後
適用される保険・制度健康保険法 等障害者総合支援法
申請窓口加入している健康保険自治体の障がい福祉課
負担割合1~3割負担
(一旦全額支払い、自己負担分を除いた金額が後日返還される)
原則として1割負担

治療用装具と補装具では、製作目的や適用制度が異なり、申請方法を間違えると全額自己負担になってしまう可能性があります。

治療用装具は後から費用が還付される償還払いであるのに対し、補装具は事前申請が必要です。

助成を受けて自己負担を抑えるためにも、手続きの流れが異なることを覚えておきましょう。

治療用装具を製作する流れ

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治療用装具を製作する流れは、以下のとおりです。

  1. 医師から装具の製作が必要と診断を受ける
  2. 義肢装具士が身体に合わせて型取りや採寸を行う
  3. 完成した装具を装着して医師の確認を受け、装具業者に費用(全額)を支払う
  4. 領収書、医師の証明書などを受け取り、加入している健康保険(協会けんぽなど)へ療養費支給申請書を提出する
  5. 自己負担分(1~3割)を差し引いた金額が口座に振り込まれる

治療用装具は医療保険が適用されますが、一時的に全額を立て替え、後から還付請求を行う必要があります。

申請から還付までの期間は、加入している健康保険によって異なりますが、3ヶ月程度かかります。

還付請求の期限は、装具費用を支払った翌日から2年以内です。

期限切れで還付が受けられなくなるのを防ぐためにも、装具の領収書や証明書などを受け取り次第、速やかに支給申請をしましょう。

補装具を製作する流れ

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補装具の製作方法は、以下のとおりです。

  1. 自治体の窓口に相談し、補装具費支給制度の申請を行う
  2. 身体障害者更生相談所などの意見をもとに審査され、支給可否が決まる
  3. 自治体から補装具費支給券が届く
  4. 装具業者と契約し、製作を依頼する

補装具費用の助成を受けるためには、製作前に自治体の窓口への相談が必要です。

自治体の補装具費支給制度を活用すれば、原則として1割負担で補装具の購入・修理が可能となります。

補装具費支給制度の対象者は、以下のとおりです。

  • 身体障害者手帳の交付を受けている方
  • 障害者総合支援法の対象となる難病患者の方

加えて、身体障害者手帳を申請中の方も支給対象となる場合があります。

なお、補装具費支給制度では、所得に応じて負担上限月額が以下のように決められています。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給0円
低所得市町村民税非課税0円
一般上記以外37,200円

申請から支給券が届くまでに2ヶ月以上かかる自治体もあるので、早めに申請をしましょう。

治療用装具と補装具のよくある質問

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最後に、治療用装具と補装具のよくある質問に回答します。

治療用装具から補装具に切り替えるタイミングはいつ?

補装具に切り替えるタイミングは、医師から「症状固定」と判断されたときが一般的です。

症状固定とは、治療を継続しても大幅な改善が見込めず、状態が安定したことを指します。

症状固定した段階で、装具の使用目的が「治療」から「生活のサポート」へと変わるため、補装具へ切り替えることになります。

切り替えの時期は症状によって異なるため、自己判断せずに医師と相談しながら進めましょう。

装具費用は医療費控除の対象になる?

治療用装具の装着は治療の一環であるため、医療費控除の対象となります。

一方、補装具は日常生活をサポートするための用具であるため、対象外となることが多いです。

ただし、医師が機能回復のために必要であると認め、証明書を発行した場合は例外的に対象となることがあります。

医療費控除の対象になるかわからない場合は、領収書や医師の証明書を管轄の税務署へ持参し、相談してみましょう。

治療用装具、補装具と福祉用具の違いは?

治療用装具が治療を目的としているのに対し、補装具と福祉用具は生活を支えるための道具として使用されます。

福祉用具とは、介護保険を使ってレンタル・購入できる車いすや歩行器といった既製品の用具のことです。

原則として、40歳未満で装具が必要な方は障害者総合支援法に基づき、補装具の支給対象となります。

一方、65歳以上の方や特定疾病に該当する40~64歳の方は、身体障害者手帳を持っていても介護保険が優先されるため、福祉用具の利用から検討することになります。

ただし、既製品の福祉用具では身体に合わず、オーダーメイドが必要な場合に限り、補装具として製作することが認められます。

治療用装具と補装具の違いを理解して正しく手続きを進めよう

治療用装具はケガや病気の治療、補装具は生活をサポートするために使用する装具です。

治療用装具と補装具では、製作目的だけでなく、製作手順や製作費の支給申請時期も異なります。

特に、治療用装具は自己負担金を除いた金額が後から還付されますが、補装具は事前に申請しなければ助成を受けられない点に注意が必要です。

手続きの進め方に迷ったときは、健康保険や自治体の窓口へ相談してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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