特別障害者手当をもらうには?受給金額や所得制限を解説

お金のはなし
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特別障害者手当とは、精神もしくは身体に重度の障害がある20歳以上の方に向けて国から支給される手当です。

受給対象となるにはいくつか要件を満たす必要があり、障害の程度や所得によっては受給できないケースもあります。

そこで今回は、特別障害者手当の受給要件や受給金額、申請方法を紹介します。

併用できる社会保険制度も紹介するので、少しでも経済的負担を軽くしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

2023-2-2
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特別障害者手当とは?

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特別障害者手当とは、精神もしくは身体に重度の障害がある方の負担を軽くするために国から支給される手当です。

まずは、特別障害者手当の受給要件と受給金額を紹介します。

受給要件

特別障害者手当は、以下の4つをすべて満たす場合に受給対象となります。

  • 精神もしくは身体に重度の障害がある
  • 20歳以上である
  • 施設ではなく自宅で生活している
    (施設入所中ではない、3ヶ月以上入院していないなど)
  • 毎年の所得が基準額以下である

重度の障害とは、日常生活で常に介護が必要となる状態のことを指します。

具体的には、障害基礎年金1級の基準に相当する障害が重複している方などが対象です。

詳しい認定基準は、以下を参考にしてください。

参考:障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準について

なお、特別障害者手当には所得制限があり、以下のいずれかが一定額を超える場合は受給できません。

  • 受給資格者(特別障害者)の前年の所得
  • 受給資格者の配偶者または生計を維持する扶養義務者の前年の所得

扶養親族等の数に対するそれぞれの限度額は以下の表を確認してください。

なお、所得額は収入から必要経費や各種控除(所得控除や扶養控除など)を引いたものです。

扶養親族等の数受給資格者本人の所得額受給資格者の配偶者または
扶養義務者の所得額
0人3,604,000円6,287,000円
1人3,984,000円6,536,000円
2人4,364,000円6,749,000円
3人4,744,000円6,962,000円
4人5,124,000円7,175,000円
5人5,504,000円7,388,000円

受給金額

特別障害者手当の受給金額は、月額27,300円です(令和5年2月現在)。

特別障害者手当では、物価変動に応じて受給額を改定する「物価スライド制」が採用されているため、受給金額が見直される可能性があります。実際の受給金額は、厚生労働省のホームページで確認しましょう。

給付時期は原則、毎年2月、5月、8月、11月の4回に渡り、前月分までをまとめて支給されます。

支給日は各月の10日とされ、支給日が土日祝日にあたる場合はその直前の平日となります。

特別児童扶養手当・障害児福祉手当との違い

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障害のある方や、その家族に支給される手当には、特別児童扶養手当や障害児福祉手当があります。

特別障害者手当との違いは、対象者の年齢と障害の程度です。

それぞれの違いは以下の通りです。

特別障害者手当特別児童扶養手当障害児福祉手当
支給対象者精神もしくは身体に重
度の障害がある20歳以
上の方
20歳未満で精神もしく
は身体に重度の障害が
ある子供を育てている
父母など
精神もしくは身体に重
度の障害がある20未満
の方
障害の程度障害基礎年金1級の基準
に相当する障害が重複
している状態(同程度
またはそれ以上の障害
がある場合も対象)
1級:障害基礎年金の
1級に相当する障害
2級:障害基礎年金の
2級に相当する障害
障害基礎年金の1級の
基準に相当する障害よ
りも重度の障害
支給月額27,300円1級:52,400円
2級:34,900円
14,850円
所得制限の対象者受給資格者(特別障害
者)
受給資格者の配偶者ま
たは生計を維持する扶
養義務者
障害児の父母など
障害児の父母などの配
偶者または生計を同じ
くする扶養義務者
受給資格者(重度障害
児)
受給資格者の配偶者ま
たは生計を維持する扶
養義務者

特別障害者手当の申請方法

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特別障害者手当の申請手続きは、以下の必要書類などを持参したうえで自治体窓口で行います。

  • 対象者名義の預金通帳の写し
  • 印鑑
  • 認定診断書
  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳(所持者のみ)
  • 受給年金の種類、年金額のわかる書類の写し(受給者のみ)
  • 同居者全員のマイナンバーがわかる書類

認定診断書の有効期限など、必要書類の詳細は自治体によって異なるので、事前にホームページで確認しておきましょう。

特別障害者手当がもらえないときは不服申立てができる

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特別障害者手当の認定結果に納得できない場合は、審査請求書を提出して不服申立てができます。

不服申立ては原則、認定結果を知った日の翌日から3ヶ月以内に実施しなければなりません。

不服申立ての方法や審査請求書の提出先は、特別障害者手当を申請した担当窓口で確認できます。

ただし、不服申立てをしても、必ずしも再認定されるわけではありません。

特別障害者手当と併用できる制度

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特別障害者手当と併用できる制度は、障害年金と生活保護があります。

それぞれの概要や受給要件を詳しく紹介します。

障害年金

障害年金は、病気やケガによって障害者となった場合に、一定の要件を満たすことで受け取れる年金です。

国民年金の加入者は障害基礎年金、厚生年金の加入者は障害基礎年金に加えて障害厚生年金が受給できます。

受給要件は以下の通りです。

  • 初診日に国民年金もしくは厚生年金の被保険者であること
  • 保険料納付済期間と保険料免除期間の合計期間が被保険者期間の3分の2以上であること(満たさない場合は直近1年間に滞納期間がないこと)※
  • 国民年金は障害等級1、2級、厚生年金は障害等級1~3級に該当すること

※20歳前に初診日がある方は、保険料納付要件が問われません(老齢基礎年金の場合)。

障害年金を受け取るには、年金請求書を記載のうえ、必要書類とあわせて自治体の窓口や年金事務所などに提出する必要があります。

年金請求の流れや必要書類は、日本年金機構のホームページから確認しましょう。

参考:日本年金機構

生活保護

生活保護とは、障害や病気を理由に働けなくなった方や生活が困難になった方に対し、経済的な援助をする制度です。

生活保護は世帯単位の収入が基準額に満たない場合に受けられます。

そのため、世帯全体の収入が基準額を上回ったり、親族からの援助があったりすると受給できなくなります。

基準額は世帯の人数や地域によって異なるので、詳しくは以下の厚生労働省のホームページから確認しましょう。

参考:厚生労働省

また、障害の程度によっては生活保護に加えて一定額の障害者加算が支給されます。

生活保護や障害者加算の対象となるかがわからない方は、自治体の担当窓口で確認してみしょう。

特別障害者手当の対象となる場合は忘れずに申請しよう

特別障害者手当は、精神もしくは身体に重度の障害がある20歳以上の方を対象とする手当です。

特別障害者手当を受給するには、必要書類を持参したうえで自治体窓口に申請しなければなりません。

なお、必要書類は自治体によって異なるため、事前にホームページなどで確認しておくことが大切です。

経済的な負担を軽くしたい方は、障害年金や生活保護の受給要件もあわせて確認しておくのがおすすめです。

申請方法や受給要件に不安がある場合は、行政書士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみましょう。

お悩みの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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