大人の発達障害を抱えている方が受けられる支援|相談窓口一覧も紹介

福祉制度
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仕事の進め方や人間関係、コミュニケーションが思うようにいかず「自分は発達障害なのかもしれない」と悩んでいませんか。

大人の発達障害の可能性がある場合、まずは医療機関や支援を受けられる機関に相談することが大切です。

今回は大人の発達障害を抱えている方が受けられる支援や相談窓口を紹介します。

生活のしづらさに苦しんでいる方は、本記事を参考に、支援や相談窓口の利用を検討してみてください。

2022-2-22
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大人の発達障害とは

2022-2-22

大人の発達障害とは、成人(18歳以上)になってから発覚した発達障害という意味で使われます。

一般的に発達障害は先天的であるため、大人になってから発症するわけではなく、子どもの頃に気付かなかったケースが該当します。

発達障害は脳機能に偏りが生じることが原因とされており、心や家庭環境の問題、本人の性格によって生じるものではありません。

大人の発達障害でよく見られる特性

2022-2-22

大人の発達障害にはさまざまな種類があり、人によっては複数の特性をあわせ持つケースもあります。

大人の発達障害でよく見られる特性は以下の3つです。

  • 自閉症スペクトラム(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 学習障害・限局性学習症(LD・SLD)

それぞれの特性を詳しく見ていきましょう。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉症スペクトラム症は、アスペルガー症候群や高機能自閉症などを統合した診断名です。

具体的な特性は以下の通りです。

  • 言葉や視線、表情などでのコミュニケーションが苦手
  • 他人への興味が薄く、相手の気持ちや状況を汲み取るのが苦手
  • 特定のことに強い関心やこだわりを持つ
  • 音や匂いなどの感覚が敏感である

社会生活では以下のようなシーンに悩まされることが多いでしょう。

  • 悪気のない言動で相手に不快感を与えてしまう
  • 興味のある分野の話だけを一方的にしてしまう
  • 会話がかみ合わないときがある
  • 面接が苦手で就職活動がうまくいかない
  • 指示があいまいな仕事ができない
  • 複数の作業を並行できない
  • 臨機応変に対応ができない

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)は具体的に以下の特性が見られます。

  • 注意力が続かない
  • ミスをしやすい
  • 落ち着きがない
  • じっと待つことが苦手

人によって、不注意の特性が強いタイプと多動症の傾向が強いタイプ、どちらも目立つタイプの3つに分かれます。

日常生活や仕事では、以下のようなことでつまずきやすいといわれています。

  • 整理整頓が苦手
  • 集中力がなく、ミスが多い
  • 頻繁に物をなくしたり忘れたりする
  • 遅刻が多い
  • 約束や頼まれたことを忘れやすい
  • スケジュールやタスクを管理するのが苦手

学習障害・限局性学習症(LD・SLD)

「読む」「書く」「計算する」が極端に苦手という場合は、学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)の特性が原因である可能性も考えられます。

具体的な特性は以下の通りです。

  • 文字を声に出してうまく読めない
  • 文字を書くのが苦手で時間がかかる
  • 計算がうまくできない
  • 結果を予測できない

学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)のある人は、社会生活で以下のことに悩まされる傾向があります。

  • マニュアルを読むことが難しい
  • メモを取るのが苦手
  • 数字を使った業務が苦手

大人の発達障害の相談窓口一覧

2022-2-22

「もしかしたら大人の発達障害なのかもしれない」と悩んだときは、以下の機関や窓口に相談してみましょう。

  • 医療機関
  • 発達障害者支援センター
  • 市区町村の福祉課
  • 障害者就業・生活支援センター

それぞれ詳しく紹介します。

医療機関

発達障害の可能性を疑う場合、まずは医療機関に相談してみることが大切です。

大人の発達障害の検査や診断は「精神科」や「心療内科」で受けられます。

ただし、すべての精神科や心療内科で診断できるわけではないため、専門的に診てもらえる医療機関を探す必要があります。

発達障害の診断が受けられる医療機関を公開している自治体もあるので、あらかじめ確認しておくとスムーズに受診できるでしょう。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害の診断を受けた人やその家族、発達障害の可能性がある方の支援を総合的に行う専門機関です。

都道府県や指定都市、特定非営利活動法人などが運営している機関で、日常生活や職場での困りごと、就労に関する悩みなどの無料相談を受け付けています。

なお、支援内容は自治体によって異なるため、利用前に居住地域のセンターに確認するのがおすすめです。

以下のリンクから自宅に近い発達障害支援センターをチェックしておきましょう。

参考:発達障害情報・支援センター

市区町村の福祉課

発達障害の診断をしてくれる医療機関や、利用できる制度を知りたい場合は、市区町村の福祉課に相談してみましょう。

相談内容に応じた適切な機関の紹介や、制度の案内が受けられます。

自治体によって相談窓口の名称が異なるため、あらかじめ自治体のホームページから確認しておくのがおすすめです。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害のある人に向けて、就業面と生活面の相談支援を行う機関です。

具体的な支援内容は以下の通りです。

就業面
  • 就職に向けた準備支援
    (職業準備訓練、職場実習のあっせん)
  • 就職活動の支援(面接練習など)
  • 職場定着に向けた支援
生活面
  • 健康やお金の管理に関する助言
  • 住居や年金などの生活設計に関する助言
  • 医療機関との調整

最寄りの障害者就業・生活支援センターは以下から確認できます。

参考:障害者就業・生活支援センター一覧

発達障害に悩む方が受けられる支援

2022-2-22

大人の発達障害に悩んでいる方は、以下の支援の利用を確認してみましょう。

  • 自立支援医療制度
  • 就労移行に関する制度
  • 精神障害者保健福祉手帳による支援
  • 障害年金

それぞれの制度内容や対象者を詳しく解説します。

自立支援医療制度

発達障害により、精神科医療機関を受診している場合は、自立支援医療制度を利用できる可能性があります。

自立支援医療制度とは、治療のために継続的に通院している方を対象に、医療費の自己負担を軽減できる制度です。

ただ、すべての疾患や医療機関が対象となるわけではないので、受診前に市区町村の担当窓口に確認しておきましょう。

自立支援医療制度については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

就労移行に関する制度

発達障害により働くことへの不安を抱えている方は、以下の就労系障害福祉サービスの利用を検討してみましょう。

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型

就労移行支援では、就労に必要な訓練や適正に合った職場探しのサポートが受けられます。

就労継続支援A型とB型は、いずれも一定のサポートを受けながら働ける場所を提供する福祉サービスです。

それぞれの違いは以下の通りです。

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 就労に必要な訓練や適性に合った職場探しをサポートする 就労や生産活動の機会を提供し、働くために必要となる知識やスキルの向上を図る
対象者 障害や難病のある、一般企業への就職を希望する方 一般企業への就職が困難である方
雇用契約 なし あり なし
賃金 原則なし あり
年齢制限 65歳以上 (要件によっては65歳以上も利用可能) なし
利用期間 原則最長24ヶ月 なし

就労移行支援の概要や就労継続支援との違いは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

精神障害者保健福祉手帳による支援

精神障害者保健福祉手帳とは、精神疾患により生活に制約が生じる状態であることを認定するものです。

精神障害者保健福祉手帳を持っていることで受けられるサービスは以下の通りです。

  • 公共交通機関や施設での割引
  • 所得税や住民税、相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の減免
  • 公共料金等の割引
  • 手当の支給 など

発達障害によって生活のしづらさがある場合は、主治医に相談のうえ申請することとなります。

ただ、発達障害の診断を受けた方全員が取得できるというわけではないので、対象となるかどうかを自治体の窓口や医師に確認しておきましょう。

障害年金

発達障害の程度によっては、障害年金の受給対象となる可能性があります。

ただし、発達障害のある方の全員が対象になるわけではなく、障害年金の受給要件を満たす場合に限られます。

症状には個人差があるため、主治医と相談しながら申請を検討することとなるでしょう。

大人の発達障害に悩んでいるなら一人で抱え込まず相談してみよう

大人の発達障害にはさまざまな種類があり、人によって見られる特性が異なります。

大人の発達障害の可能性がある場合は、医療機関や支援を受けられる機関に相談することが大切です。

制度内容や申請方法がわからない際は、社会保険労務士や医師などに相談し、適切なアドバイスをもらいましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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