子どもに発達障害の疑いがあるときはどうする?症状の特徴や相談先を解説

2023-11-08 福祉制度
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同じ年代の子と比べて、我が子の成長が遅れていたり、気になる言動が見られたりすることで「もしかして発達障害かもしれない」と悩んだ経験のある保護者も少なくないでしょう。

ただし、発達障害の判断は難しいため、家族だけで悩まずに、まずは専門機関に相談することが大切です。

今回は子どもに発達障害の疑いがあるときの対応方法や相談先を紹介します。

子どもの成長に不安を抱えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

2023-11-08
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発達障害とは

2023-11-08

発達障害とは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの脳機能障害の総称を指します。

発達障害の明確な原因はまだわかっていませんが、生まれながらの脳機能の障害と考えられています。

そのため、親の育て方や本人の努力不足が原因で起こるものではありません。

発達障害の種類と特徴

発達障害はどのように現れ、どの程度生活に影響を与えるのかは、人によって異なります。

発達障害でよく見られる特性は以下の3つです。

  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)
  • 学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)

それぞれの特性を詳しく紹介します。

自閉スペクトラム症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD)は、以下のような特徴があります。

  • 表情や態度から相手の考えを読み取るのが苦手
  • 特定のことに強い興味や関心がある
  • こだわりが強い など

自閉スペクトラム症は、1歳を過ぎた頃からサインが現れるとされています。

具体的には、以下のような様子が見られます。

  • 人の目を見ることが少ない
  • ほかの子どもに興味がない
  • 一人遊びが多く集団行動が苦手
  • 会話がつながりにくい

自閉スペクトラム症は、子どもの頃に気付かず、仕事が臨機応変にできなかったり、職場の対人関係に悩んだりと就職をきっかけに障害を疑う方もいます。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)は「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の一つです。

7歳までに不注意、あるいは多動・衝動性、またはその両方の症状が現れるといわれています。

不注意の症状には、以下のようなものがあります。

  • 学校の勉強でうっかりミスが多い
  • 宿題や遊びなどに集中し続けるのが困難
  • 整理整頓が苦手
  • 忘れ物や紛失が多い

多動・衝動性には、以下のような特徴があります。

  • 座っていても手足をもじもじする
  • 席を離れる
  • おとなしく遊ぶのが困難
  • じっとしていられない
  • 順番を待つのが苦手
  • 他人の会話やゲームに割り込む

多動症状は、成長とともに軽くなることが多く、不注意や衝動性の症状は青年期や成人期まで続くといわれています。

学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)

学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)とは、全体的な知的発達の遅れはなく、以下のような学習に必要な基礎的な能力のうちの一つ、もしくは複数の能力が習得しづらかったり、うまく発揮できなかったりするのが特徴です。

  • 聞く
  • 話す
  • 読む
  • 書く
  • 計算する
  • 推論する

このような能力を求められる小学校2~4年頃に成績不振などから明らかになることが多いといわれています。

子どもに発達障害の疑いがある場合の対応方法

2023-11-08

子どもに発達障害の疑いがある場合の代表的な対応方法は以下の通りです。

  • 子どもの行動を観察する
  • 発達障害の窓口に相談する
  • 医療機関の診断を受ける

一つずつ詳しく見ていきましょう。

子どもの行動を観察する

発達障害のある子どもが社会に適応する力を身に付けながら、自分らしく成長するためには、発達障害に早く気付き、適切なサポートをしていくことが大切です。

そのためには、子どもの行動を観察し、気になる点がないかを把握しておく必要があります。

たとえば、以下のような様子が見られないかをチェックしてみましょう。

人との関わり方一人遊びが多いおとなしすぎる常に受け身
コミュニケーション一方的に話すことが多い話を聞かなければならない場面で集中して聞けない
想像性失礼なことや傷つくことを言ってしまう集団で何かしているときにぼんやりしたり、ふらふらとどこかへ歩いたりする予定が急に変更されると混乱する
注意・集中落ち着きがない集中力がないいつもボーッとしている忘れ物が多い
感覚雷や大きな音、ざわざわした音が苦手靴下をいつも脱いでしまう極端な偏食揺れているところを極端に怖がるすき間など狭い空間が好き
運動床に寝転がることが多い極端に不器用食べこぼしが多い力の調整が苦手で乱暴に思われてしまう大きすぎる声を出す場面が多い
学習話が流暢で頭の回転が速いが、作業が極端に遅い難しい漢字を読めるが、簡単なひらがなが書けない図鑑や本を好んで読むが、作文が苦手
情緒・感情極端な怖がり注意されるとカッとなりやすい思い通りにならずにパニックになることがある一度感情が高まると興奮がおさまるまで時間がかかる

発達障害の窓口に相談する

子どもに発達障害の疑いがあるときは、自治体の窓口や発達障害者支援センターなどに相談するのがおすすめです。

育児書などの「発達の目安」を見たり、同じ年齢のほかの子どもと比べたりして、不安に感じる親は多いかもしれません。

ただし、子どもは皆同じスピードで成長するとは限らないうえ、気になる言動があったとしてもさほど心配がいらない可能性もあります。

加えて、子どもの発達障害の有無を判断するのは難しいので、子どもの発達に心配や不安がある場合は悩まずに、専門窓口に相談してみるのがよいでしょう。

子どもの発達障害について相談できる窓口は複数あるので、後ほど紹介します。

医療機関の診断を受ける

発達障害の診断を受けるメリットは、子どもの苦手を知り、適切な対策ができることです。

発達障害の診断は、以下のような専門の医療機関で実施されます。

  • 大学病院
  • 総合病院
  • 小児科
  • 児童精神科
  • 小児神経科 など

ただし、発達障害の診断ができる病院は限られているので、あらかじめ自治体の窓口やホームページで確認しておくとスムーズに受診できるでしょう。

発達障害の診断を受けることで、必要な支援が受けやすくなりますが、診断を受けて障害の有無を明らかにすることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。

診断を受けなくても利用できる支援や福祉サービスはあるので、医療機関を受診すべきか悩むときは、発達障害者支援センターなどの専門機関に相談してみるのがおすすめです。

発達障害の子どもが受けられる手当や助成については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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子どもに発達障害の疑いがある場合の相談先一覧

2023-11-08

子どもに発達障害の疑いがある場合の主な相談先は以下の通りです。

  • 保健センター
  • 児童相談所
  • 発達障害者支援センター

それぞれ詳しく紹介します。

保健センター

保健センターは、市区町村が設置している機関で、新生児訪問や乳幼児検診の実施、障害の早期発見、早期発達支援を行っています。

乳幼児の発育や発達、子育てに関する相談は、保健師などの専門スタッフが個別対応してくれます。

各機関との連携により、発達障害の専門機関を紹介したり情報提供をしたりするのも保健センターのサポート内容の一つです。

児童相談所

児童相談所では、保護者の希望や必要に応じて児童心理司による発達検査を受けられたり、子どもに関するあらゆる相談に対応してもらえたりします。

家庭での養育が難しい場合など、障害児入所施設の利用を希望する方に、施設の案内や利用申請の受理も実施しています。

発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害のある方への支援を総合的に行う専門機関です。

都道府県や指定都市、都道府県知事が指定した社会福祉法人や特定非営利活動法人などが運営しています。

保健や医療、福祉、教育などの関係機関と連携し、発達障害のある子どもやその家族の相談に応じて指導と助言を行います。

子どもに発達障害の疑いがある場合は専門窓口に相談しよう

発達障害にはさまざまな種類があり、子どもによって見られる特性や適切な支援は異なります。

発達障害のある子どもが社会に適応する力を身に付けながら、成長していくためには、発達障害に気付き、適切なサポートをしていくことが大切です。

子どもに発達障害の疑いがある場合は、ご家族で抱え込まず、専門窓口に相談し、アドバイスをもらいましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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