特例子会社で働くメリットやデメリット|障害者雇用との違いも解説

2023-9-18 福祉制度
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障害があることを理由に、働くことへの不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

障害に配慮された会社で働きたい方は、特例子会社への就業も検討してみましょう。

特例子会社とは、障害者の雇用促進や安定を図るために、事業主が障害のある方の雇用に配慮した会社のことです。

今回は特例子会社で働くメリットやデメリットを紹介します。

特例子会社で実際に働いている方の意見や求人の探し方も紹介しているので、特例子会社に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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特例子会社とは

2023-9-18

特例子会社とは、障害者の雇用促進および安定を図るために、事業主が障害者の雇用に配慮をした子会社のことです。

したがって、特例子会社は一般企業よりも障害への配慮を受けながら働きやすい会社といえます。

法律では、一定数以上の従業員数がいる企業や自治体に対し、以下の割合を超える障害者を雇用すること(障害者雇用率制度)が義務付けられています。

  • 民間企業:2.3%
  • 国、地方自治体:2.6%
  • 都道府県等の教育委員会:2.5%

一方、事業主が特例子会社を設立し、一定の要件を満たす場合は、その子会社で雇用している労働者を親会社が雇用しているものと見なし、雇用率を算出できます。

なお、障害者雇用率制度の対象となるのは、身体障害者手帳や精神障害者保険福祉手帳、療育手帳を所有している人です。

そのため、特例子会社の雇用対象となるのも原則、障害者手帳などを持っている人となります。

障害者雇用の違い

障害者雇用とは、障害のある方を対象とした特別な雇用枠で、企業や自治体などが障害者を雇用することを表します。

障害者雇用は、一般企業が設けている枠のことで、特例子会社は会社そのものを指します。

いずれも障害者に対して、仕事内容や勤務時間などの配慮がなされている点は同じです。

ただし、障害者雇用の場合は、障害者ではない方も同じ職場に多くいます。

一方、特例子会社は障害のある方を雇用する目的で設立された会社なので、障害のある方の在籍数が多い傾向があり、悩みを共有しやすいメリットがあります。

バリアフリー化が進んでいたり、専任の指導員が配置されていたりするので、障害のある方が働きやすい環境に整っている会社が多いのも魅力的です。

なお、会社によって設備やサポート体制が異なるので、選択肢を広げるためにも特例子会社と障害者雇用のどちらの求人もチェックするのがおすすめです。

特例子会社に多い仕事内容

特例子会社の仕事内容は、親会社のサポート業務が多い傾向があります。

例えば、ハローワークの求人には、以下のような仕事内容が多く見られました。

  • 事務の補助
  • 備品管理
  • アプリ開発
  • 清掃業務
  • ピッキングや発送作業

求人によって仕事内容が異なるので、複数の求人表をチェックしたうえで、自分のスキルや得意を活かせるような仕事を見つけてみましょう。

特例子会社で働くメリット

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特例子会社には、障害に配慮された職場環境で働け、同僚と悩みを共有しやすいメリットがあります。

ここでは、特例子会社で働くメリットを詳しく紹介します。

障害に配慮された職場環境で働ける

特例子会社として厚生労働大臣から認められるためには、「障害者の雇用管理を適正に行うに足る能力を有していること」という要件を満たさなければなりません。

具体的には、以下の2点のように障害のある方を雇用するために特別な配慮を行っている必要があります。

  • 障害者のための作業施設・設備の改善
  • 障害者の職業生活に関する専任の指導員の配置

したがって、特例子会社を選ぶことは、第三者から見ても障害に配慮されている職場環境で働けるメリットがあるといえます。

たとえば、業務を遂行する場所だけでなく、玄関や廊下、トイレなどのバリアフリー化が進んでいる会社が多くあります。

また、専任の指導員が配置されているため、悩みを相談したり、親身なサポートを受けられたりするのも安心して働きやすい理由の一つです。

同僚と悩みを共有しやすい

特例子会社では、障害のある方が多く働いているため、普段の業務から会社のイベントまで、障害のある方とコミュニケーションを取る機会が多数あります。

同じ障害のある方とチームを組んで働くこともあります。

このように、悩みを共有できたり、理解し合えたりする同僚と出会える可能性が高いのも特例子会社の魅力の一つです。

職場の人間関係が円滑になると、日々の働きやすさも変わってくるでしょう。

特例子会社で働くデメリット

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特例子会社は一般雇用と比較すると、求人数が少ないため、特例子会社に限定して転職・就職活動を進めると、希望に合う求人が見つかりにくい傾向があります。

地域によっては自宅から通勤できる範囲の職場が見つからないこともあるでしょう。

そのため、就職先を探す際は特例子会社だけでなく、障害者雇用や一般雇用の時短勤務なども含めて探すのがおすすめです。

ただし、非正規雇用や時短勤務になると、給料が下がってしまう可能性があるため、仕事内容や年収などの自分が譲れないポイントを明確にしておくことが大切です。

特例子会社で働いている人の実際の声

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「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」の調査から、実際に特例子会社で働いている人の声を抜粋しました。

・障害者同士が話しやすい
・トイレや廊下が整備されていて働きやすい

・能力に応じた給与面の評価が得られにくい
・親会社の社員と休職制度や賃金水準に格差がある

参考:多様化する特例子会社の経営・雇用管理の現状及び課題の把握・分析に関するヒアリング調査

調査によると、特例子会社は働きやすさをメリットに感じられる一方で、給与面や福利厚生に不満を抱く方も一部いました。

求人票を見るときは、昇給制度や福利厚生についても、確認しておくと安心です。

特例子会社の探し方

2023-9-18

特例子会社の求人は、以下の方法で探せます。

  • ハローワークで求人を探す
  • 就職・転職サイトで求人を探す
  • 就労移行支援事業所を利用する
  • 障害者雇用に特化した転職エージェントを活用する

ハローワークの障害者支援窓口や就労移行支援事業所では、求人の紹介だけでなく、就職に向けたサポートも受けられます。

就労移行支援事業所を探している方は、以下のサイトを活用してみましょう。

参考:就労移行支援事業所検索

自分にあった業務や職場が見つかるか不安という方は、期間を定めて働ける障害者トライアル雇用制度を利用してみるのも手段の一つです。

障害者トライアル雇用制度は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

特例子会社の求人をチェックして働きやすい職場を見つけよう

特例子会社とは、障害者の雇用促進および安定を図るために、事業主が障害者の雇用に配慮をした子会社を指します。

特例子会社で働くメリットは、障害に配慮された環境で働け、職場の人間関係が構築しやすい点です。

自身で働きやすい職場を見つけられるか不安な方は、ハローワークや就労移行支援事業所の活用を検討しましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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