障がい者で要介護認定を受けることになった方のなかには、介護保険と障害福祉サービスは併用できるのか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
いずれのサービスも利用できる場合、原則として介護保険が優先となります。
しかし、一定要件に該当すれば併用できる可能性があるので、どのような場合に認められるかを確認しておくことが大切です。
そこで本記事では、障害福祉サービスと介護保険サービスを同時に利用できるケースについて解説します。
併用する際のメリットや注意点も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

障害福祉サービスと介護保険サービスを併用できるケース

障害福祉サービスと介護保険サービスを同時利用できる状態になったときは、原則として介護保険が優先されます。
しかし、以下の要件に当てはまれば、併用が認められる可能性があります。
- 障害福祉サービス特有の支援を受ける必要がある
- 介護保険ではサービス量が不十分である
- 介護保険サービスの事業所が空いていない
それぞれ詳しく解説します。
障害福祉サービス特有の支援を受ける必要がある
要介護認定を受けても、障害福祉サービス特有の支援を受ける必要があれば、併用できる可能性があります。
介護保険と併用できる可能性があるサービスは、以下のとおりです。
| サービス名 | 内容 |
| 同行援護 | 視覚障がい者を対象とした外出支援 |
| 行動援護 | 知的障がい・精神障がいのある方を対象とした外出支援 |
| 自立訓練(生活訓練) | 日常生活や社会生活の自立に向けた訓練 |
| 就労移行支援 | 一般企業への就労に向けた訓練 |
| 就労継続支援 | 一般企業での就労が難しい方を対象とした訓練や働く場の提供 |
| 移動支援 | 屋外移動に困難がある方を対象とした外出支援 |
これらのサービスは、介護保険で代替できるサービスがないため、利用が認められやすい傾向があります。
これらのサービスを利用している方は、継続したい旨を自治体の窓口に相談してみましょう。
介護保険ではサービス量が不十分である
重度の障がいがあって介護保険だけでは支援が足りない場合、障害福祉サービスの継続が認められる可能性があります。
たとえば、介護保険の訪問介護だけでは生活が難しい場合、障害福祉の重度訪問介護を併用するのも1つの手段です。
2つの制度を併用すれば、必要なケアを受けながら安心して在宅生活を続けられるようになります。
現状のプランでは支援が足りないと感じるときは、ケアマネジャーや相談支援専門員に併用できるかを相談してみましょう。
介護保険サービスの事業所が空いていない
介護保険サービスを利用したくても、地域に事業所がなかったり、定員に達して利用できなかったりする場合があります。
このような場合、サービスが利用できない期間に限り、一時的に障害福祉サービスの継続が認められることがあります。
ただし、事業所に空きが出た際は、原則として介護保険への切り替えが必要です。
事業所を自身で探すのは負担がかかるため、ケアマネジャーを通じて事業所の空き状況を確認してもらうようにしましょう。
障害福祉サービスと介護保険サービスを併用するメリット

障害福祉・介護保険サービスを併用するメリットは、以下のとおりです。
- 障がい特有の支援を受けられる
- 介護保険の限度額を超えても費用負担を抑えられる
1つずつ見ていきましょう。
障がい特有の支援を受けられる
介護保険のヘルパーは高齢者ケアが中心であるため、障がい特有の行動や突発的な事態に対応することが難しい場合があります。
障害福祉サービスを組み合わせれば、知的・精神障がいなどの特性を理解したスタッフによるきめ細やかな支援を受けられます。
専門性の高いケアを受けることで、本人や家族の負担軽減にもつながるでしょう。
介護保険の限度額を超えても費用負担を抑えられる
介護保険の支給限度額を超えてサービスを利用すると、通常は超過分がすべて自己負担となってしまいます。
しかし、超過分を障害福祉サービスとして利用できれば、所得に応じた負担上限月額が適用されるため、経済的負担を抑えられます。
2つの制度を組み合わせることで、費用の見通しが立ち、安心してサービスを利用できるのが大きなメリットです。
障害福祉サービスと介護保険サービスを併用する際の注意点

障害福祉・介護保険サービスを併用する際は、以下の2つに注意しましょう。
- 自治体によって併用可否が異なる
- 各サービスの更新時期が異なる
それぞれ詳しく解説します。
自治体によって併用可否が異なる
障害福祉サービスの支給は自治体の判断に委ねられているため、地域によって併用可否の判断が異なります。
A市では併用が認められるケースでも、B市では認められないといったことも少なくありません。
お住まいの自治体が併用不可と判断すれば、利用できない場合があることも理解しておきましょう。
各サービスの更新時期が異なる
介護保険の要介護度と障害福祉の障害支援区分は、認定の有効期間が異なります。
そのため、介護保険と障害福祉の更新時期がずれて、手続きを忘れてしまう可能性があることに注意が必要です。
更新を忘れると、一時的に全額自己負担になる場合があるため、それぞれの有効期限をカレンダーなどで管理しておきましょう。
障害福祉サービスと介護保険サービスを併用する際のよくある質問

最後に、障害福祉サービスと介護保険サービスを併用する際のよくある質問に回答します。
併用するときはケアマネジャーと相談支援専門員にそれぞれ相談が必要?
介護保険と障害福祉サービスを併用するときは、ケアマネジャーが障害福祉も含めたケアプランを作成するのが原則となります。
まずは、担当のケアマネジャーに障害福祉サービスを併用したい旨を相談してみましょう。
ケアマネジャーが併用プランの作成に慣れていないときは、自治体が認めれば相談支援専門員に依頼することも可能です。
より良いプランを作成するためにも、ケアマネジャーと相談支援専門員に連携してもらえるよう伝えておきましょう。
65歳になったら障害福祉サービスから介護保険サービスに移行しなければならない?
65歳になったら、原則として介護保険サービスに移行する必要があります。
しかし、介護保険に代替できるサービスがなかったり、支援時間が足りなかったりする場合は、障害福祉サービスを継続利用できる可能性があります。
継続利用できるかわからない場合は、相談支援専門員に相談してみましょう。
介護保険サービスへの移行方法や切り替える際の注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。

自身に合った支援を受けるために2つのサービスを併用しよう
障害福祉サービスと介護保険サービスは、原則として介護保険が優先されますが、一定要件を満たしていれば併用が可能です。
併用することで、障がい特有の支援を受けられたり、介護保険の限度額を超えても費用負担を抑えられたりするメリットがあります。
しかし、併用できるかどうかは自治体の判断によって異なります。
必要な支援を受け続けるためにも、まずはケアマネジャーや相談支援専門員に併用できるかどうかを相談してみましょう。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士



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