ヘルプマークは、外見からはわかりにくい障がいや疾患を抱える方が、周囲の理解や支援を求める際に役立つマークです。
ヘルプマークを身につけたいけれど、どこでもらえるのかわからないという方は多いのではないでしょうか。
ヘルプマークを身につけることで、交通機関で優先席に座りやすくなったり、災害時に優先的な支援を受けやすくなったりします。
もしものときに支援を受けられるのか不安を感じている方は、ヘルプマークを身につけることを検討しましょう。
本記事では、ヘルプマークがもらえる場所や対象者、受けられる配慮について解説します。
適切な使い方も解説するので、初めてヘルプマークを使用する方はぜひ最後までご覧ください。
ヘルプマークがもらえる場所
ヘルプマークは、主に以下の場所で配布されています。
- 自治体の窓口
- 保健所、保健センター
- 基幹相談支援センター など
ヘルプマークは、原則として1人1個まで無料で受け取れます。
受け取りの際に申込書の提出が必要な自治体もあるので、あらかじめ自治体のホームページなどで受け取り方法を確認しておくことが大切です。
なお、受け取りに行くのが難しいときは、郵送してもらえる場合があります。
障がいや疾病によって直接行くのが難しい方は、自治体に郵送対応の可否を問い合わせてみましょう。
また、自治体によっては、配布場所が複数設けられている場合があります。
例えば、東京都では都営地下鉄の各駅でも配布しており、他の自治体でも身近な場所で受け取れる可能性があります。
お住まいの自治体の配布場所が知りたい方は、以下のサイトで確認してみましょう。
ヘルプマークの対象者
ヘルプマークは、外見からはわかりにくい障がいや疾患などがあり、もしものときに配慮や支援を要するすべての方が対象です。
主な対象者は、以下の通りです。
- 義足・人工関節を使用している方
- 内部障害がある方
- 難病の方
- 妊娠初期の方 など
なお、これらに当てはまらない方でも、ヘルプマークを活用できる場合があります。
例えば、精神障がいや発達障がいがあり、緊急時に周囲の協力が必要な方などもヘルプマークの対象です。
ヘルプマークは、支援を要する方を幅広く対象としているので、疾病や障がいの有無・程度にかかわらず利用できるように配慮されています。
また、ヘルプマークを受け取る際は、障がい・疾病を証明する診断書や障害者手帳などの提示を求められることは基本的にありません。
自分が対象になるのかわからない場合は、自治体の窓口に確認しましょう。
ヘルプマークの使い方
ヘルプマークにはひもがついており、かばんなどに取り付けることで周囲に障がいや疾病などがあることをわかりやすく伝えられます。
急な体調不良などに備え、目立つ場所に装着しておくと安心です。
ヘルプマークには、名前や連絡先、必要なサポート内容などを記入できるシールが同封されています。
障がいの種類や体調によっては、連絡先や必要なサポート内容をうまく説明できない場合もあるので、あらかじめ必要な情報を記載しておきましょう。
ヘルプマークで受けられる配慮
ヘルプマークで配慮が受けられる代表的なシーンは以下の通りです。
- 交通機関
- 駅や商業施設
- 災害時
交通機関
電車やバスなどの交通機関では、ヘルプマークを身につけている方に席を譲ることが推奨されています。
そのため、ヘルプマークをつけていれば、周囲の目をあまり気にせず優先席に座りやすくなります。
交通機関の乗車中に体調が悪くなったときにも、必要なサポートを受けやすくなるでしょう。
駅や商業施設
電車の遅延や事故など思わぬトラブルに遭遇した際、ヘルプマークをつけていると、周囲からサポートを受けやすくなります。
ヘルプマークによって駅員や乗務員に障がいがあることが伝えられれば、必要な情報を教えてもらったり優先的に対応してもらえたりしやすくなります。
また、商業施設では優先エレベーターや障がい者用の駐車スペースを利用しやすくなるでしょう。
災害時
災害が起こり、避難や移動が必要になった際、ヘルプマークを着用していれば、通行人や救急隊員の介助を受けやすくなる可能性があります。
避難所でも自治体の職員やボランティアの方の支援を受けやすくなるので、避難用バックなどにもヘルプマークをつけておくと安心です。
なかには、ヘルプマークを身につけずに避難した場合でも、避難所でヘルプマークを受け取れる自治体もあります。
日常的に使用していない方でも対象になる場合があるので、避難所生活で周囲からの支援を受けたい方は、避難所にいる職員に相談してみましょう。
ヘルプマークとヘルプカードの違い
ヘルプカードとは、障がいのある方が周りの人に支援をお願いするときに、必要な情報を伝えるためのカードです。
カードには住所や緊急連絡先、手助けしてほしいことなどを記入しておきます。
ヘルプカードがあれば、急な体調不良や災害時にカードを見せるだけで必要な情報をすぐに伝えることができます。
そのため、緊急時により適切な支援を受けられるようにするには、ヘルプマークとヘルプカードを併用するのがおすすめです。
例えば、ヘルプマークの裏面に「緊急時は、かばんの中にあるヘルプカードを見てください」と書いておくと、突然体調が悪くなった場合でも支援者がスムーズに対応できます。
安心して外出するためにも、ヘルプマークはカバンの外などの見える位置につけ、ヘルプカードはカバンの中に入れて持ち歩くとよいでしょう。
ヘルプマーク以外で配慮を要する人のためのマーク
ヘルプマーク以外にも、配慮を要することを周囲に伝えるためのマークが3つあります。
- 耳マーク
- ハート・プラスマーク
- マタニティマーク
耳マーク
耳マークは、耳が聞こえない、もしくは聞こえづらいことを示すマークです。
聴覚障がいは外見からはわかりにくく、周囲からの配慮をなかなか受けられないことがあります。
一方で、耳マークを身につければ、周囲の人に障がいがあることを伝えられ、筆談などに応じてもらえるなどの配慮を受けやすくなります。
耳マークは「一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」のWebサイトから購入可能です。
カードタイプやストラップ、自転車用ステッカーなどさまざまな種類があるので、用途に応じて選びましょう。
ハート・プラスマーク
ハート・プラスマークは、心臓や呼吸機能、肝臓などの内部障がいがあることを示すマークです。
ハート・プラスマークは「NPO法人ハート・プラスの会」のWebサイトでダウンロードできます。
もしくは、返信用封筒をNPO法人ハート・プラスの会事務局に送って郵送で受け取ることもできます。
なかにはハート・プラスマークを配布している自治体もあるので、お住まいの自治体に確認してみましょう。
マタニティマーク
マタニティマークは、妊産婦が交通機関などを利用する際に身につけて、周囲に妊娠していることを示し、配慮を促すためのマークです。
特に妊娠初期は外見から妊娠していることがわかりにくいため、マタニティマークを身につければ配慮を受けやすくなります。
マタニティマークは、母子手帳を受け取る際に一緒に渡されるのが一般的ですが、駅の窓口でもらえる地域もあります。
公共交通機関の優先席やスーパーの優先駐車スペースなどを利用しやすくなるので、活用を検討してみましょう。
もしものときに備えてヘルプマークを身につけよう
ヘルプマークをつけると、交通機関や駅、災害時に必要な配慮を受けられる可能性が高まります。
ヘルプマークは、自治体の窓口や保健所などで受け取れます。
なかには、郵送で受け取れたり駅でも配布していたりする自治体もあるので、自治体のホームページなどを確認して自分が受け取りやすい場所・方法を見つけてみましょう。
監修者：東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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