障がいがあることで公営住宅は入居しやすくなるのか疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。
公営住宅は自治体が運営する公的な賃貸住宅であり、障がい者が優先的に入居できる可能性があります。
入居条件や優先入居枠は自治体によって異なるので、自治体の窓口やホームページで確認しておくことが大切です。
本記事では、障がい者が公営住宅に入居する際の条件や流れを解説します。
公営住宅への入居を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

障がい者は公営住宅に優先入居できる場合がある
公営住宅は、低所得者や高齢者、障がい者といった方を対象として自治体が運営している公的な賃貸住宅です。
収入に応じて家賃が設定されることが多いため、民間の賃貸住宅と比べて家賃負担を抑えられます。
障がい者世帯に対して優先入居枠を設けている自治体が多いので、一般の応募者より入居しやすい傾向があります。
ただし、すべてのケースで入居できるわけではなく、どのような優遇があるのかは自治体によって異なることに注意が必要です。
公営住宅への入居を希望するときは、自治体の窓口やホームページで確認しておきましょう。
公営住宅の入居条件

公営住宅の入居条件は自治体によって異なり、以下のような条件を設けている場合があります。
- 住宅に困っている
- 所得が定められた基準内である
- 市町村民税を滞納していない
- 暴力団員でない
- 家屋や土地を所有していない
住宅に困っている状況には、現在の住宅から立ち退きを求められていたり、家賃の支払いが困難だったりする場合などが挙げられます。
公営住宅に入居するための基準所得は、自治体によって異なるので自治体の窓口やホームページで確認することが大切です。
加えて、障がい者の優先入居枠も自治体ごとに異なります。
例えば、東京都の優先入居枠に申し込める障がい者は、以下のとおりです。
- 身体障害者手帳1~5級の方
- 軽度の知的障がい者
- 精神障害者手帳1~3級の方
優先入居枠を利用したいときは、自治体の窓口やホームページを確認するようにしましょう。
障がい者が公営住宅に入居する流れ

障がい者が公営住宅に入居する流れは、以下のとおりです。
- 自治体の窓口で入居申込みをする
- 当選通知が届いたら、住宅を下見する
- 自治体で入居資格審査をする
- 入居資格審査に合格後、入居契約をする
- 指定された敷金を納付し、入居開始となる
なかには、オンラインで入居申し込みができる自治体もあります。
窓口に行く手間が軽減できるので、移動に負担感がある人はぜひ活用してみましょう。
公営住宅への入居が決まったら、以下のポイントを押さえて下見することをおすすめします。
- 部屋内の移動のしやすさ
- トイレ・浴室などの設備の使いやすさ
- 通院先の病院からの距離
- 公共交通機関の利用のしやすさ
入居後に快適に生活するためにも、実際の生活動線をイメージしながら確認しておきましょう。
障がい者が公営住宅に入居できないときの対処法

障がい者が公営住宅に入居できないときは、以下の対処法がおすすめです。
- 再度応募する
- セーフティネット住宅を探す
- 居住サポート事業を利用する
- グループホームに入居する
1つずつ詳しく紹介します。
再度応募する
公営住宅は抽選に外れても、再度応募することができます。
多くの自治体では定期的に募集しているので、自治体のホームページで最新の募集情報を小まめにチェックすることが大切です。
また、何度も落選している方向けに当選確率を高める優遇措置を設けている自治体もあります。
根気強く応募を続けることで入居できる可能性が高まるので、繰り返し応募してみましょう。
セーフティネット住宅を探す
セーフティネット住宅は、高齢者や障がい者といった住宅確保が困難な方を対象とした民間賃貸住宅です。
各都道府県が定める基準を満たした物件のみが登録されるため、一定の居住水準が保証されています。
民間の不動産会社が運営しているケースがほとんどですが、家賃補助や初期費用の補助制度を設けている自治体が多いので、入居費用を抑えられる可能性があります。
障がいがあることで入居拒否をされないので、公営住宅への入居が難しい場合にセーフティネット住宅を検討するのも1つです。
セーフティネット住宅情報提供システムを活用して、お住まいの地域の物件を検索してみましょう。
居住サポート事業を利用する
居住サポート事業とは、障がいのある方の住まい探しと入居後の生活をサポートする事業のことです。
障害者総合支援法に基づいて各自治体が運営しており、物件探しから契約手続き、入居後の相談対応まで幅広く支援を受けられます。
公営住宅以外の物件探しや、入居契約のサポートを受けたいときに利用するのがおすすめです。
居宅サポート事業のサービス内容や利用方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
グループホームに入居する
障がい者向けグループホームは、専門スタッフのサポートを受けながら共同生活を送る住宅です。
公営住宅や賃貸住宅が見つからない場合は、一時的にグループホームに入居することも検討してみましょう。
グループホームでは、日常生活での困りごとやトラブルに対して、すぐに支援を受けられます。
ただし、家賃に加えて食費や管理費などがかかるので、事前に費用を確認しておきましょう。
グループホームの費用相場は、以下の記事で詳しく紹介しています。
障がい者が公営住宅に入居するときのよくある質問

最後に、障がい者が公営住宅に入居するときのよくある質問に答えていきます。
何度応募しても当選しない場合はどうすればいい?
公営住宅の部屋数は限られているため、何度応募しても当選しない場合もあります。
その場合は、以下の方法を試してみましょう。
- 優先入居枠が多い住宅に応募する
- 単身者向けや高齢者向けなど、別枠の住宅も検討する
- 募集数が多い時期を狙って応募する
障がいがあっても単身者向けといった別枠にも応募できるため、募集数に応じて検討するのがおすすめです。
また、引っ越しの多い年度替わりを狙って応募すると当選確率が上がる可能性があります。
公営住宅は手すりを設置できる?
公営住宅で手すり設置などの住宅改修を希望する場合は、事前申請が必要です。
住宅改修をするときは、自治体窓口または委託されている管理会社に許可を受けてから始めましょう。
無断で住宅改修をすると、退去を求められたり損害賠償を請求されたりする可能性があるため注意が必要です。
また、退去するときは入居状態に戻すのが一般的です。
大規模な住宅改修が必要となるときは、バリアフリー設備が整った部屋への入居も視野に入れましょう。
障がいがある人は公営住宅の入居を検討してみよう
障がいがある人は、公営住宅に優先入居できる可能性があります。
ただし、優先入居枠数が異なったり優遇措置を受けられたりするなど、自治体によって対応が異なります。
お住まいの自治体の窓口で、優先入居の条件や対象者などを確認してみましょう。
公営住宅を借りるにあたって金銭面に不安を感じている方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのがおすすめです。
お悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
コメント