自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説 

福祉制度
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自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアは、障がいのある方の社会復帰や自立生活をサポートするサービスです。

自立訓練(生活訓練)は、障がいの種類を問わず、生活能力を高めるための訓練が受けられます。

一方、精神科デイケアは、精神障がいのある方が専門職による支援を受けながら、社会復帰や就労を目指します。

それぞれ対象者や目的、費用が異なるので、自身が必要とする支援に合わせて選ぶことが大切です。

本記事では、自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

自分に合ったサービスの選び方に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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自立訓練(生活訓練)とは

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自立訓練(生活訓練)とは、障がいのある方が自立した生活を送れるよう、生活スキルの向上を目指す障害福祉サービスです。

自立訓練(生活訓練)は、施設や病院を退所・退院した人や、継続的な通院によって症状が安定している人を対象として、以下のトレーニングをおこないます。 

  • 食事や家事などの生活能力を高める訓練
  • 服薬管理や金銭管理の自立に向けた訓練
  • コミュニケーション能力を高める訓練 など

これらの訓練では、専門スタッフによる指導のもと、通所または訪問による支援を受けられます。

自立訓練(生活訓練)を受けるためには、自治体の窓口で障害福祉サービス受給者証を交付してもらう必要があります。 

障害福祉サービス受給者証の交付を受けるまでに1〜2ヶ月程度かかる可能性があるので、早めに手続きをすることが大切です。

精神科デイケアとは

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精神科デイケアは、精神障がいのある方の社会参加や就労をサポートする医療機関のリハビリテーションプログラムです。

主に通院中の精神科病院やクリニックに通い、医師や看護師、作業療法士などの専門職による支援のもと、以下のプログラムを受けます。

  • レクリエーション
  • SST(ソーシャルスキル・トレーニング)
  • 就労支援 など

精神科デイケアを利用するためには、デイケアを利用したいと主治医に伝えたうえで、通所できる状態であるかを判断してもらう必要があります。

精神科デイケアの対象者やプログラム内容については、以下の記事で詳しく紹介しています。

自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの違い

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自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの特徴は、以下のように異なります。

自立訓練
(生活訓練)
精神科デイケア
対象となる障がい・身体障がい
・知的障がい
・精神障がい
・難病の人
精神障がいのみ
利用目的自立生活に向けた家事や生活管理能力の向上病気の再発予防や社会復帰、就労支援
利用期間原則として2年間
(長期入院・入所していた人は3年間)
ニーズや目標に応じて決められる
費用原則として1割負担
(世帯収入によって月々の負担上限額が異なる)
800円前後/日
(自立支援医療を利用した場合) 
利用相談窓口自治体の窓口通院中の精神科病院やクリニック

自立訓練(生活訓練)の負担上限額は、以下の通りです。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給0円
低所得住民税非課税世帯※10円
一般1住民税が課税されている世帯(収入がおおむね670万円以下)※29,300円
一般2上記以外37,200円
※1 3人世帯で障害者基礎年金1級を受給している場合、収入が約300万円以下の世帯が対象
※2 20歳以上の施設入所者がいる課税世帯は「一般2」となる

自立訓練は障がい種別に関わらず、自立に向けて基本的な生活スキルの習得を目指します。

一方、精神科デイケアは精神障がいのある人に特化して、社会復帰や就労支援に力をいれているのが特徴です。

自立訓練(生活訓練)は地域での自立生活に向けた準備をしたい人、精神科デイケアは病気の再発予防をしながら職場復帰や社会参加を目指す人が向いているといえます。

自立訓練(生活訓練)のメリット・デメリット

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自立訓練(生活訓練)の利用を検討する際は、サービスの特徴をあらかじめ知っておくことが大切です。

ここでは、自立訓練(生活訓練)のメリット・デメリットを紹介します。

自立訓練(生活訓練)のメリット

自立訓練(生活訓練)のメリットは、以下の2つです。

  • 個別支援が受けられる
  • 地域とのつながりがもてる

それぞれ詳しく解説します。

個別支援が受けられる 

自立訓練(生活訓練)は、一人ひとりの目標や生活状況に合わせて個別サポートが受けられるのが特長です。

例えば、金銭管理の自立を目指している人は、家計簿の付け方や予算の立て方をスタッフと一緒に練習したり、アドバイスをもらったりできます。

また、1人で外出することに不安がある人はスタッフと一緒に外出し、安全な移動ルートの選び方や公共交通機関の利用方法についての助言を受けられます。

それぞれの状況に寄り添った支援を受けられるので、安心して自立に向けた準備を進められるでしょう。

地域とのつながりをもてる

自立訓練事業所に通所し、利用者同士で交流したりスタッフとコミュニケーションをとったりすることで、地域とのつながりをもちやすくなります。

自宅にこもりがちな方でも、ほかの利用者との会話や活動を通じて社会的な孤立感が和らぎ、コミュニケーション能力が向上する効果も期待できます。

また、多くの事業所では地域のイベントへの参加機会があるので、地域住民と交流することで社会とのつながりを実感できるのも嬉しいポイントです。

自立訓練(生活訓練)のデメリット

利用期間が限られている 

自立訓練(生活機関)の利用期間は、原則として2年間(長期入院・入所していた人は3年間)に限られています。

ただし、地域生活に向けて生活スキルをさらに学ぶ必要があると自治体が認めたときは、最大1年間の更新ができます。

更新を希望する場合は、自立訓練事業所や相談支援事業所のスタッフに相談してみましょう。

精神科デイケアのメリット・デメリット

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次に精神科デイケアのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

精神科デイケアのメリット

精神科デイケアのメリットは、以下の2つです。

  • 専門職から支援を受けられる
  • 就労スキルを身に付けられる

それぞれ詳しく紹介します。

専門職から支援を受けられる

精神科デイケアでは医師や看護師、作業療法士、精神保健福祉士などによるサポートを受けられます。

さまざまな分野の専門家に相談できれば、自身の障がいへの理解を深めたり症状に対する対処法を知ったりするきっかけになり、病気の再発予防にもつながります。

また、定期的に通所することで、日常生活で問題が起きたときや体調にわずかな変化があったときも、気軽に相談しやすくなるでしょう。

就労スキルを身に付けられる

精神科デイケアには、社会復帰に向けた就労準備として実践的なスキルを身に付けられるメリットがあります。

個別支援やレクリエーションなどのプログラムによって、集中力や持続力、コミュニケーション能力などの仕事に必要なスキルを身につけられます。

また、グループワークを通して自己理解を深め、自分に合った仕事や働き方を知ることもできるでしょう。

職場復帰や再就職を目指している人は、精神科デイケアを利用するのがおすすめです。

精神科デイケアのデメリット

専門的な就労支援は受けられない場合がある

精神科デイケアのスタッフは、就労支援の専門家ではないため、就労に関する具体的なアドバイスや情報提供を十分に得られない可能性があります。

専門的な就労支援を希望する場合は、就労移行支援などの障害福祉サービスの利用がおすすめです。

就労移行支援とは、障がいのある人を対象に就職に必要な知識やスキルを身に付けたり就職支援を受けられたりするサービスのことです。

就労移行支援のサービス内容や利用方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。

自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの違いを知って自分に合った支援を受けよう

自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアは、特徴の異なるサービスです。

自立訓練(生活訓練)は、障がいの種類を問わず、日常生活の自立に必要なスキルを習得できます。

一方、精神科デイケアは、精神障がいのある方が専門職による支援のもと、再発予防や社会復帰を目指す場です。

自身に必要な支援を受けるためにも、それぞれの違いを知っておきましょう。

サービス料金の支払いや介護費用に不安がある方は、ファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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