重度障害者等包括支援とは?対象者やサービス内容、重度訪問介護との違いを解説

福祉制度
記事内にプロモーションが含まれています。

重度障害者等包括支援は、常に介護を必要とする重度の障がいがある方に、さまざまな障害福祉サービスを組み合わせて提供するサービスです。

重度障害者等包括支援を利用すれば、24時間体制で介護を受けられるだけでなく、障害福祉サービスの契約やスケジュール調整にかかる負担を軽減できるメリットがあります。

しかし、適用要件を満たしていなければ利用できないため、どのような要件があるのかを知っておくことが大切です。

そこで本記事では、重度障害者等包括支援の対象者やサービス内容、重度訪問介護との違いを解説します。

利用する流れや注意点も解説するので、重度障害者等包括支援の利用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

2026-6-13-01
スポンサーリンク

重度障害者等包括支援とは

2026-6-13-02

重度障害者等包括支援は、重度の障がいがある方が障害福祉サービスを組み合わせて24時間体制で支援を受けられるサービスです。

まずは、重度障害者等包括支援の対象者とサービス内容を解説します。

対象者

重度障害者等包括支援の対象者は、障害支援区分6であり、以下のいずれかに該当する方です。

  • 重度訪問介護の対象で寝たきり状態にある方のうち、次のいずれかに該当する方
    ・筋ジストロフィーや脊椎損傷などで人工呼吸器を使用している身体障がい者
    ・最重度の知的障がい者
  • 強度行動障害などによって障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等の合計点数が10点以上である方

主な対象者は、寝たきりで人工呼吸器を装着していたり、強度の行動障害などによって24時間体制での介護や見守りを要したりする方です。

なお、18歳未満の障がい児も、要件を満たしていれば利用できます。

サービス内容

重度障害者等包括支援では、以下の障害福祉サービスを組み合わせて支援を受けられます。

障害福祉サービスの種類サービス名
移動支援・訪問系・居宅介護(ホームヘルプ)
・重度訪問介護
・同行援護
・行動援護
日中活動系・生活介護
・自立訓練(機能訓練・生活訓練)
・就労移行支援
・就労継続支援(A型・B型)
・就労定着支援
居住・短期滞在系・短期入所(ショートステイ)
・共同生活援助(グループホーム)
・自立生活援助

通常はサービスごとに各事業所と契約する必要がありますが、重度障害者等包括支援の契約をすれば、これらのサービスを組み合わせて利用できます。

さまざまなサービスを状況に応じて使い分けられるため、24時間365日体制で支援を受けられるのが特長です。

ただし、自治体によっては一部のサービスが利用できない場合があります。

契約前に、お住まいの地域でどのようなサービスが利用できるのか確認しておきましょう。

重度障害者等包括支援と重度訪問介護の違い

2026-6-13-03

重度の障がいがある人が受けられる障害福祉サービスに重度訪問介護がありますが、それぞれ対象者や受けられるサービスが異なります。

それぞれの違いは、以下のとおりです。

重度障害者等包括支援重度訪問介護
対象者障害支援区分6かつ、意思疎通や行動が極めて困難な重度の障がいがある方障害支援区分4以上で重度の肢体不自由や知的、精神障がいがある方
サービス内容訪問・通所・短期入所などサービスを包括的に利用できる身体介護や長時間の見守り、外出時の付き添いなど包括的に支援を受けられる
利用形態1事業所と契約することで、12の障害福祉サービスを利用できる契約した事業所から支援を受ける
サービスの利用時間24時間体制数時間〜24時間(長時間の見守りが前提)
障がい児の利用可否可能基本的には不可(児童相談所長が必要性を認めた場合に限り、15歳以上の児童も利用可能)

重度訪問介護は、あらかじめ決められたスケジュールに沿って、特定の時間帯に支援を受けるサービスです。

そのため、生活介護など他のサービスを組み合わせる際は、それぞれの事業所と利用日時を調整しなければなりません。

一方、重度障害者等包括支援は、1つの事業所が複数のサービスをまとめて管理します。

窓口が一本化されているため、複数のサービスを利用する場合の手続きや日時調整の手間を軽減できる点が大きな特長です。

重度障害者等包括支援を利用するメリット

2026-6-13-04

重度障害者等包括支援を利用するメリットは、以下のとおりです。

  • サービス利用手続きや調整を一元化できる
  • 24時間体制で支援が受けられる

1つずつ詳しく解説します。

サービス利用手続きや調整を一元化できる

重度障害者等包括支援を利用すれば、居宅介護や短期入所などサービスごとに結んでいた契約を1つにまとめられます。

1つの事業所とのやり取りで12の障害福祉サービスを利用でき、スムーズかつ一貫した支援体制を整えることが可能です。

スケジュール管理が簡単になるだけでなく、本人の障がい特性や介助方法について各事業所に説明する手間が省けるのも嬉しいポイントです。

24時間体制で支援が受けられる

重度障害者等包括支援では、24時間365日体制で身体状況に応じた適切なケアを受けられます。

体調の変化や毎日のルーティンを理解しているスタッフから長時間のサポートを受けられるため、本人や家族の安心感につながります。

また、万が一の事態が起きた際、現場の判断ですぐに新たな支援体制を整えられるのも大きな特長です。

介護者が急病で入院した場合なども、緊急で短期入所へ切り替えるなど臨機応変に対応してもらえるため、突発的なトラブルにも備えられます。

重度障害者等包括支援の利用料金

2026-6-13-05

重度障害者等包括支援を利用する際は、原則として1割の自己負担がかかります。

ただし、世帯の収入状況に応じて、1ヶ月あたりの負担上限額が以下のように決められています。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給0円
低所得市町村民税非課税世帯※0円
一般1市町村民税課税世帯(市民税所得割16万円未満の方) 9,300円
一般2上記以外37,200円
※3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」

利用料が負担上限額を超えた場合、それ以上の自己負担はかかりません。

ただし、生活介護を利用した際の食費や、短期入所の際の光熱費・滞在費などは実費となります。

毎月かかる費用を把握するためにも、契約前に自費負担となるものがあるかを確認しておきましょう。

重度障害者等包括支援を利用する流れ

2026-6-13-06

重度障害者等包括支援を利用する流れは、以下のとおりです。

  1. 自治体の窓口で障害福祉サービスの利用を申請し、障害支援区分の認定を受ける
  2. 相談支援事業所でサービス等利用計画案を作成してもらい、自治体の窓口に提出する
  3. 支給が決定次第、受給者証が交付される
  4. 重度障害者等包括支援事業所と契約し、利用計画を作成する
  5. サービス利用が開始となる

すでに他の障害福祉サービスを利用している方でも、重度障害者等包括支援へ切り替える際は自治体への再申請や計画案の作成が必要となります。

申請からサービス利用までには2~3ヶ月程度かかる場合があるため、利用を検討し始めたら、早めに手続きすることをおすすめします。

重度障害者等包括支援を利用する際の注意点

2026-6-13-07

重度障害者等包括支援を利用する際は、以下の2つに注意が必要です。

  • 対応できる事業所の数が少ない
  • スタッフの専門性や相性の見極めが必要

それぞれ詳しく解説します。

事業所の数が少ない

重度障害者等包括支援は24時間体制の支援が求められるため、事業者の負担が大きくなりやすく、全国的に事業所数が少ない現状があります。

近くに重度障害者等包括支援の事業所がない地域もあるため、注意が必要です。

利用を検討する際は、自治体の窓口や相談支援専門員に対応可能な事業所が地域内にあるかを早めに確認しておきましょう。

スタッフの専門性や相性の見極めが必要

重度の障がいや医療的ケア、強度の行動障害を支援してもらうためには、事業所の専門性の高さを見極める必要があります。

長時間サポートを受けることになるため、介護技術はもちろん、本人の障がい特性やこだわりを理解して対応してくれるかも重要なポイントです。

事前見学や事業所との面談を通じて、本人の特性に合った支援を受けられるかを確認しておきましょう。

重度障害者等包括支援で身体状況に合ったサポートを受けよう

重度障害者等包括支援は、重度の障がいがある方が、住み慣れた地域で24時間体制のサポートを受けるための障害福祉サービスです。

重度障害者等包括支援には、利用手続きや調整を一元化できたり、緊急時にも現場の判断でスムーズにサービスを切り替えられたりするメリットがあります。

ただし、全国的に事業所数が少ないため、お住まいの地域に事業所がない場合があります。

利用したいときは、自治体の窓口や相談支援専門員に早めに相談し、重度障害者等包括支援の事業所が地域内にあるかを確認しておきましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

コメント

タイトルとURLをコピーしました