障がいのある人が職業訓練を受けるメリット・デメリット!利用する流れも紹介

福祉制度
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就職を希望している障がい者の方のなかには、職業訓練を受けるメリット・デメリットを知りたい方もいるのではないでしょうか。

職業訓練では、就職に必要なスキルを無料で身に付けられたり、手当を受給できたりする可能性があります。

ただし、訓練内容や支援体制は訓練機関によって異なるため、自身の障がい特性に合った訓練コースを選ぶことが大切です。

そこで本記事では、障がいのある人が職業訓練を受けるメリット・デメリットを紹介します。

職業訓練を利用する流れも紹介しているので、就職に向けて職業訓練の利用を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

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障がいのある人が受けられる職業訓練の種類 

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職業訓練(ハロートレーニング)は、就労時に役立つ知識を得られたりスキルを習得したりするための公的制度です。

障がいのある人が利用できる訓練には、以下の3種類があります。

職業訓練の名称対象者
公共職業訓練離職者訓練失業保険の受給資格がある求職者
障害者訓練失業保険の受給資格があり求職中かつ障がいのある人
求職者支援訓練失業保険が受給対象がない、または受給期間が終了している求職者

失業保険の受給資格は、以下の3つの要件を満たしている場合に得られます。 

  • ハローワークに求職申し込みをしている
  • 働く意思と能力があり就職活動中である
  • 退職前の1年間に雇用保険の加入期間が12ヶ月以上ある

なお、障がいを理由に退職したときは、退職前の1年間に雇用保険の加入期間が6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。 

失業保険の受給資格があるのかわからないときは、お住まいの地域を管轄するハローワークに確認してみましょう。

障がいのある人が職業訓練を受けるメリット

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障がいのある人が職業訓練を受けると、以下の3つのメリットがあります。

  • 無料で就職に必要なスキルや知識を得られる
  • 手当を受給できる場合がある
  • 生活リズムを整えやすい

1つずつ詳しく見ていきましょう。

無料で就職に必要なスキルや知識を得られる 

職業訓練はテキスト代などを除いて原則無料で受講でき、就職に役立つ以下のようなスキルを身に付けられます。

  • パソコンスキル
  • Webデザイン
  • 医療事務
  • プログラミング
  • 電気設備や土木などの現場技術
  • 介護サービス など

これらのスキルを習得すれば、採用面接時に自己PRできることが増えるので、自信をもって就職活動に臨むことができます。

また、実践的な知識やスキルを身に付けられるので、未経験の分野にも挑戦しやすいでしょう。

ただし、職業訓練の種類によって学べる内容が異なるため、ハローワークの窓口やホームページで確認しておくことが大切です。

それぞれの職業訓練で受講できるコースについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

訓練期間中に手当を受給できる場合がある 

公共職業訓練では受講手当が受給できるほか、要件を満たすと通所手当・寄宿手当を受給できる場合があります。

それぞれの手当額は、以下の通りです。

受講手当通所手当寄宿手当
公共職業訓練日額500円
(1つの訓練につき40日分まで)
上限:月42,500円
(通所距離や通勤方法に応じて支給される)
月10,700円
(家族と別居して通所する場合、別居した期間に応じて支給される)
求職者支援訓練月10万円
(要件を満たした場合のみ)

公共職業訓練の場合、これらの手当に加えて失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できます。

失業保険の受給額や受給期間は、離職前の賃金や年齢に応じて異なるので、受給額がわからない方はハローワークの窓口で確認しておきましょう。

なお、訓練期間中に失業保険の受給期間が終わる場合は、受給期間が訓練修了日まで延長できます。

求職者支援訓練で各手当を受給するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 本人の収入が月8万円以下である
  • 世帯収入が月30万円以下である
  • 世帯の金融資産が300万円以下である
  • 現在住むところ以外に土地や建物を所有していない
  • 訓練日すべてに出席する
  • 世帯内に同時に給付金を受けている人がいない
  • 過去3年以内に偽りその他不正の交付による特定の給付金の支給を受けていない
  • 過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けていない

本人の収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下である場合は、通所手当を受給できます。

訓練期間の収入を補うためにも、対象となる方はハローワークに申請しましょう。

生活リズムを整えやすい

職業訓練を受けると、規則正しい生活リズムを整えやすくなるのもメリットです。

求職期間中は、外出機会が減り、家にこもりがちになることで睡眠や食事のリズムが乱れやすくなります。

訓練に通うことで決まった時間に起床・就寝する習慣が身に付き、心身の健康を保ちやすくなるでしょう。

障がいのある人が職業訓練を受けるデメリット

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障がいのある人が職業訓練を受けるときは、以下の2点に注意が必要です。

  • 障がい特性によって受講できない可能性がある
  • 訓練に通うのが負担になる場合がある

それぞれ詳しく紹介します。

障がい特性によって受講できない可能性がある

職業訓練にはさまざまなコースがありますが、障がい特性によって希望する訓練を受講できない場合があります。

例えば、視覚障がいのある人に対する支援体制が整っていない訓練機関では、期待していたスキルを身に付けられない可能性があります。

自分に合った訓練コースを選ぶためにも、以下のポイントをチェックしておきましょう。 

  • 訓練施設のバリアフリー状況
  • 支援機器の有無
  • 指導員のサポート体制
  • 障がいのある人の訓練受け入れ実績

訓練に通うのが負担になる場合がある

訓練機関には、職業能力開発校や職業能力開発促進センターなどがあります。 

これらの施設と自宅の距離が遠いと、通所自体が大きな負担となる可能性があります。

通所後の負担を軽減するためにも、事前に移動手段や所要時間、交通費などを確認しておきましょう。

職業訓練を利用する流れ 

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職業訓練を利用する流れは、以下の通りです。

  1. ハローワークに相談、申し込みをする
  2. 面接や筆記試験を受ける
  3. 選考結果通知を受け取る
  4. 受講あっせん(訓練前説明)を受ける
  5. 職業訓練を受講する

職業訓練を利用する際は、ハローワークの窓口で取得したい資格やスキル、希望する仕事について相談し、自分に合ったコースを選択します。

コース選びの際は、ハローワークインターネットサービスで事前に情報収集するのもおすすめです。

受講するコースが決まったら、必要事項を記入した申込書をハローワークの窓口に提出します。

募集期間はコースごとに決められているので、小まめにチェックすることが大切です。

面接や筆記試験に合格したら、申し込みをしたハローワークで受講あっせん(訓練前説明)を受けます。

受講あっせんは訓練開始に必要な手続きなので、忘れずに受けるようにしましょう。

なお、不合格になっても新しい訓練コースに再度申し込めるので、他のコースの受講も検討してみるのがおすすめです。

知識やスキルを身に付けたい人は職業訓練を利用しよう

職業訓練には、就職に必要なスキルを無料で身に付けられたり、訓練期間中に手当を受給できたりするメリットがあります。

職業訓練で実践的な知識を身に付ければ、未経験分野にも挑戦しやすくなるでしょう。

職業訓練の内容や支援体制は訓練機関によって異なるため、自身の障がい特性に合ったコースを選ぶことが大切です。

就職に向けた準備をスムーズに進めるためにも、事前に訓練内容や支援体制を確認しておきましょう。

職業訓練中の家計に心配がある人は、ファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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