就労移行支援を利用しても就職できなかった場合はどうする?対処法や相談先を解説

福祉制度
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就労移行支援を利用しても就職できなかったときはどうすればいいのか不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

就労移行支援は、障がいのある方を対象に、一般企業への就職に向けてさまざまな支援を受けられる福祉サービスです。

なかには、就職活動のサポートを受けても就職まで結びつかない人もいます。

そのような状況で不安を感じないためにも、どのようにして就職先を探せばいいのかを知っておくことが大切です。

そこで本記事では、就労移行支援を利用しても就職できなかった場合の対処法や相談先を解説します。

就労移行支援の利用後、就職に向けてどのように行動したらよいのか知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

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就労移行支援を利用した人の就職率は57.2%

2024-7-17-02

厚生労働省「就労系福祉サービスの現状等」によると、就労移行支援を利用して一般企業に就職した人の割合は、57.2%(令和4年現在)です。

一般企業への就職率は上昇傾向にありますが、現在も約4割の方は一般就労につながっていません。

そのため、一般就労以外の就職先やほかの支援を受けられることを知って、自分に合った対処法を選ぶことが大切です。

就労移行支援を利用しても就職できなかった場合の対処法 

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就労移行支援を利用しても就職できなかった場合の対処法は、以下の3つです。

  • 就労移行支援の期間を延長する
  • 就労継続支援に移行する
  • 自分で就職活動をする

就労移行支援の期間を延長する

就労移行支援の利用期間は、原則として2年間です。 

しかし、正当な理由があり、就職のために就労移行支援の継続が必要と認められた場合には、最大1年間の期間延長ができます。 

例えば、体調不良によって就職活動が十分に行えていないときに必要と認められれば延長の対象となります。

利用期間が延長されるのは、あくまでも就職の見込みがあると自治体が認めた場合です。

そのため、就職に向けた努力を継続していないと判断されれば、延長の対象となりません。

利用期間を延長したい場合は、就労移行支援事業所の支援員に延長を希望していることを伝えましょう。

自治体への書類作成や提出といった延長に必要な申請業務を支援員が代行してくれる場合もあります。

自治体によっては延長の審査に時間がかかる可能性もあるので、利用終了の1〜2か月前に申請しておくことが大切です。

就労継続支援に移行する

就職活動をして、一般企業への就職が難しいと感じた場合は、就労継続支援に移行する選択肢もあります。

就労継続支援とは、障がいによって一般企業での就労が困難な方を対象とした福祉サービスです。

サポートを受けながら、就労に必要なスキルを身に着けたい方は就労継続支援の利用を検討してみましょう。

就労継続支援はA型・B型の2種類あり、対象者や平均賃金は以下の通り異なります。

就労継続支援A型就労継続支援B型
対象者原則18歳以上65歳未満年齢制限なし
雇用契約ありなし
平均賃金
(令和4年度)
月額  83,551円
時間額 947円
月額  17,031円
時間額 243円

A型は支援を受けながら雇用契約を結んだ事業所で仕事をします。

最低賃金が保障されているので、一定額の賃金は受け取れるのが特長です。

一方、B型は雇用契約を結ばないので、賃金が低くなりやすい傾向があります。

ある程度体調が安定して働ける方はA型、雇用契約を結ばず体調に応じて臨機応変に働きたい方はB型が向いているでしょう。

就労継続支援A型とB型の違いは、以下の記事で詳しく紹介しています。

自分で就職活動をする

求人サイトやハローワークを活用して、自ら就職活動を進めることも1つの方法です。

多様な求人情報にアクセスできるので、自分の興味や適性に合う仕事を見つけられる可能性があります。

障がいのある方でも、障害者雇用に限らず一般枠での就労も視野に入れられるので、幅広い就職の機会を得られます。

しかし、自分で就職活動を進める場合、仕事探しの方法や自分に合う仕事はどのようなものか悩むこともあるでしょう。

就職活動に迷ったときは専門機関で相談しながら進めていくのがおすすめです。

なお、障害者雇用は障がいに配慮された職場で働けるなどのメリットがありますが、求人数が少ないといったデメリットもあります。

障害者雇用のメリットやデメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

就労移行支援以外に利用できる専門機関

2024-7-17-04

就労移行支援以外で、就労のために利用できる専門機関は以下の通りです。

  • ハローワーク
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター

ハローワーク

ハローワークには、障がい者専用の窓口が設けられており、障がいについての専門知識がある職員に相談できます。

障がい特性に応じた職場探しのサポートが受けられるので、自分にあった仕事を見つけやすくなります。

さらに、ハローワークはハロートレーニングと呼ばれる公共職業訓練の相談窓口も兼ねています。 

ハロートレーニングとは、就職の際に必要な専門知識やスキルを身につける講座を無料(テキスト代を除く)で受けられる職業訓練制度です。

例えば、ITスキルや介護、事務、ものづくりなどさまざまな分野の講座があります。

ハロートレーニングを活用して、自分が働きたい分野の知識を得ると、就職活動をスムーズに進められます。

知識やスキルを身につけて、就職活動に役立てたい方は積極的に活用してみましょう。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障がい者に対して専門的な職業評価や就職支援などを行う機関で、各都道府県に最低1ヶ所以上設置されています。

地域障害者職業センターでは、一般企業で働く際に必要なスキルや知識を身につけるための職業リハビリテーションが受けられます。

職業リハビリテーションの主な内容は、簡易的な事務や清掃などの実務に合わせた訓練、コミュニケーションスキルを高めるための講習です。 

加えて、希望に応じて就職後の支援をするジョブコーチが定期的に職場を訪問する職場定着支援も受けられます。

就職の不安を軽減ながら長期間働ける職場を探している方は、地域障害者職業センターを利用してみましょう。

最寄りの地域障害者職業センターは、以下のサイトから確認してみてください。

地域障害者職業センター|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は、高齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者その他労働者の職業能力の開発及び向上のために、高齢者、障害者、求職者、事業主等の方々に対して総合的な支援を行っています。

障害者就業・生活支援センター 

障害者就業・生活支援センターは、就職に向けた準備だけでなく、生活面での支援も受けられる機関です。

例えば、外出に不安があったり朝起きられなかったりすることで、十分な就職活動ができないときにサポートが受けられます。

健康面に不安があるときは医療機関と連携したサービスを受けることも可能です。

就職活動で生活が乱れたり、症状が悪化することに不安を感じていたりする方は活用してみましょう。

障害者就業・生活支援センターを利用する際は、事前に電話で面談予約を入れるとスムーズに相談できます。

最寄りの障害者就業・生活支援センターは、以下のサイトから確認してみましょう。

https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001242595.pdf

就労移行支援以外のサポートを知って就職活動を続けよう

就労移行支援を利用しても就職に結びつかなかった場合は、利用期間を延長したり就労継続支援に移行したりするといった対処法があります。

また、ハローワークや地域障害者職業センターなどの専門機関を活用することにより、さらに手厚い就職支援が受けられます。

自分の希望にあった職場に就職するためにも、専門機関からのサポートを受けながら就職活動を続けていきましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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