20歳未満の障害児を対象に支給される手当があることをご存じでしょうか。
これらの手当は、障害の程度や年齢、居住している地域によって支給条件と支給金額が異なり、支給対象となっていても自身で手続きをしなければ支給されません。
なかには、扶養者の所得制限を設けている場合もあるので、自身が支給対象になるのかを事前に確認しておくことが大切です。
本記事では、20歳未満の障害児が受けられる手当を詳しく紹介します。
支給条件と手当別の所得制限もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載している支給金額や条件は、2022年11月1日現在の情報をもとに記載しております。
障害児が受けられる手当
20歳未満の障害児が受けられる主な手当には、以下の3つが挙げられます。
- 特別児童扶養手当
- 障害児福祉手当
- 児童扶養手当
特別児童扶養手当
特別児童扶養手当は、一定程度以上の障害がある20歳未満の児童を家庭で扶養している保護者に支給される手当です。
支給が決定されると、障害等級が1級の児童に52,400円/月、2級の児童に34,900円/月を基準とし、4月・8月・12月に前月分までを合算して支払われます。
なお、障害のある児童が施設に入所していたり、同一の障害で年金を受け取っていたりする場合は、支給対象外となるので注意が必要です。
支給申請や支給対象となるかの確認は、市区町村窓口で行えます。
障害児福祉手当
障害児福祉手当は、常時介護を必要とする重度障害がある20歳未満の児童に支給されます。
支給金額は14,850円/月を基準として、5月・8月・11月・2月に前月分までの手当をまとめて支給されます。
また、特別児童扶養手当と同様に、施設への入所や障害年金を受給している場合は、支給対象外となるので注意しましょう。
児童扶養手当
児童扶養手当は、前述した特別児童扶養手当と障害児福祉手当と異なり、障害の有無に関わらず、父母のいない児童やひとり親世帯の児童に支給される手当です。
支給年齢は、18歳に到達する日以後の最初の3月31日までとなっていますが、一定の障害がある児童は20歳未満まで受給する権利が与えられています。
児童扶養手当は、公的年金との併給が認められていますが、支給される年金額によって全部または一部が支給停止となるので注意しましょう。
支給される年金額が児童扶養手当より多ければ全額支給停止、受給年金額が児童手当より少なければ差額分が支給されます。
なお、併給を行う際には、市区町村窓口での手続きが必要です。
手続きが遅れると、受給する権利がなくなったり、手当の返還を求められたりするので、可能な限り早めに手続きを行いましょう。
【手当別】所得制限一覧表
本記事で紹介した、特別児童扶養手当と障害児福祉手当、児童扶養手当には、下表のように前年の所得に応じた所得制限が設けられてます。
なお、受給資格者は手当によって異なり、特別児童扶養手当と児童扶養手当は障害児の父母などの養育者、障害児福祉手当は障害児自身となります。
受給資格者の所得目安 | 配偶者・扶養義務者の所得目安 | |
特別児童扶養手当 | 4,976,000円 | 6,536,000円 |
障害児福祉手当 | 3,984,000円 | 6,536,000円 |
児童扶養手当 | 870,000円 | 2,740,000円 |
※所得額は、地方税法の都道府県民税の課税所得から各種控除を差し引いた金額とする。
※児童扶養手当は全額支給の対象となる所得制限額とする。
所得制限額は、扶養人数や所得控除によって異なるので、自身が所得制限に該当しないかを申請前に確認しておきましょう。
独自の支援制度を設けている自治体もある
ここまで紹介した手当は、いずれも国が運営している制度です。
なかには、以下のような手当を独自で支給している自治体もあります。
- 児童育成手当(東京都)
- 神奈川県在宅十度障害等手当(神奈川県)
- 高知県重度心身障害児療養手当(高知県)
国の制度とあわせて活用すると、生活費や介護費への負担を大きく軽減できます。
お住まいの自治体が独自に運営している手当や給付金があれば、支給対象にならないか積極的に確認してみましょう。
障害児を扶養しているときは手当を受給しよう
20歳未満の障害児を扶養している場合に支給される手当は、障害の程度や年齢、所得に応じて支給金額が大きく異なります。
なかには制度を知らなければ、支給対象となっているにも関わらず支給されないケースも存在します。
国と自治体の制度を活用すれば、生活費や介護費の負担を大きく軽減できるので、制度内容を確認して自身が支給対象となるのかを確認しておきましょう。
また、手続きが遅れた場合には、受給権を失ったり、受け取った手当の返還を求められたりするケースもあるので、可能な限り早めの手続きをおすすめします。
申請書の記載方法や併給手続きなどのわからないことがあれば、社会保険労務士などの専門家に相談してみましょう。
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