生活保護の障害者加算とは?申請方法や対象者、注意点を解説

福祉制度
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生活保護を受給している障がい者の方が、障害者加算の対象になる可能性があることをご存じでしょうか。

障害者加算とは、生活保護を受給している世帯に一定の障がいがある方がいる場合、生活保護費に上乗せして支給される加算のことです。

毎月決まった金額が上乗せ支給されるので、障がいによって必要となる介護費や交通費などを、補えるメリットがあります。

しかし、対象となる障がいの程度が決まっていたり、申請しないと支給されなかったりすることに注意が必要です。

そこで本記事では、障害者加算の申請方法や対象者、注意点を解説します。

自身が障害者加算の対象になるかを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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生活保護の障害者加算とは

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障害者加算とは、生活保護を受給している世帯に一定の障害のある方がいる場合に、加算される制度のことです。

障がいのある方は、健常者が要する生活費以外にも費用がかかるケースが多くあります。

例えば、足に障がいがあることで自宅内に手すりを設置したり、視力の低下で点字新聞を購入したりする場合は、さまざまな費用がかかります。

このように、障がい者の生活にかかる費用を補うために支給されるのが、障害者加算です。 

ここでは、障害者加算の対象者や加算額を解説します。

対象者

障害者加算の対象者は、以下の通りです。

  1. 身体障害者手帳1級または2級、もしくは障害年金1級程度の障がいがある方
  2. 身体障害者手帳3級、もしくは障害年金2級程度の障がいがある方

精神障がいの方は、障害年金を受給していない状態で精神障害者保健福祉手帳1級、2級を所持していれば、障害者加算の対象になる場合があります。

いずれの状況も障がいの原因となった症状の初診日から1年6ヶ月経過もしくは症状が固定していなければ受給することができません。

症状固定と診断されていなければ、初診日から1年6ヶ月が経過するまで、申請が受理されないことを認識しておきましょう。

加算額

障害者加算の加算額は、障害等級と住んでいる地域(級地)によって異なり、都市部になるほど高額になります。

具体的な加算額は、以下の通りです。

1級地2級地3級地入院患者や介護施設入所者など
身体障害者手帳1級または2級の方など26,810円 24,940円 23,060円 22,310円
身体障害者手帳3級の方など17,870円16,620円15,380円14,870円
※令和6年4月現在

精神障害者保健福祉手帳1級は身体障害者手帳1級または2級と同程度、精神障害者保健福祉手帳2級は身体障害者手帳3級と同程度の金額です。

なお、入院中であったり介護施設に入所していたりする場合は、お住まいの地域に関わらず障害者加算は同額です。

生活保護の障害者加算の申請方法

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障害者加算を申請する際は、福祉事務所に以下のいずれかの書類を提出しましょう。 

  • 身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳
  • 国民年金証書
  • 特別児童扶養手当証書
  • 福祉手当認定通知書
  • 医師の診断書や障がいの程度が確認できる書類

原則としてこれらの書類があれば申請できますが、障害者手帳や障害年金の申請中で書類がない場合は、医師の診断書などでも申請可能です。 

いずれの書類も用意できない場合は、障がいの程度がわかる診断書の作成を、医師に依頼しましょう。

なお、障害者加算は、特別児童扶養手当や障害児福祉手当を受給する子を養育している場合も支給の対象です。

対象になる場合は、忘れずに申請しましょう。

生活保護で障害者加算を得るための注意点

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生活保護の障害者加算を得る際の注意点は、以下の通りです。

  • 申請しないと加算されない
  • 障害者手帳と障害年金の等級表は異なる
  • 障害者手帳などの更新を忘れずに行う

申請しないと加算されない

障害者加算は対象者であっても、自動的に適用されるものではありません。

加算を得るためには事前申請が必要であり、支給が開始されるのは、おおむね申請日の翌月からとなります。 

また、過去にさかのぼって請求できないので、対象となった時点で速やかに申請することをおすすめします。

障害者加算を漏れなく受け取るためにも、障害等級に該当となったらお住まいの地域の福祉事務所で速やかに申請しましょう。

障害者手帳と障害年金の等級表は異なる

障害者手帳と障害年金では、それぞれの等級が異なるケースがあります。

そのため、どちらを参照するかによって加算の有無が異なったり加算額が変わったりする可能性があることに注意が必要です。

例えば、障害者加算の対象外となる身体障害者手帳4級の方であっても、障害年金2級であれば加算を受けられます。

どちらかの等級が該当しなくても、もう一方が該当していれば加算を受けられるので、申請手続きをしましょう。

なお、精神障がい者で障害年金、精神障害者保健福祉手帳のいずれの等級もある場合はの場合は、障害年金の等級が優先されるので注意が必要です。

精神障害者保健福祉手帳2級であっても、障害年金が3級の場合は対象外になることに注意しましょう。

障害者手帳などの更新を忘れずに行う

障害者加算は、障害者手帳や障害年金が一定の等級でなければ対象外になるので、これらの更新を忘れると加算を打ち切られてしまいます。

継続して加算を得るためにも、以下の更新時期を参考にして、障害者手帳や障害年金の更新を忘れずに行いましょう。

種類更新時期
身体障害者手帳原則として更新なし
(障がいの程度の変化が予想される場合は、再認定が実施される) 
精神障害者保健福祉手帳2年に一度 
障害年金1年~5年に一度
(障がいの種類や症状によって異なり、更新が不要の場合もある) 

障害者加算以外に得られる可能性がある加算

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障害者加算に加えて、以下の対象世帯に該当する方であれば、加算を得られる場合があります。

加算名対象世帯加算額
重度障害者加算特別児童扶養手当などを受給かつ日常生活において常時介護を必要とする方がいる世帯15,690円/月
重度障害者家族介護料 身体障害者手帳1級または2級、障害年金1級程度の障がいがある方を、同一世帯に属するものが介護している世帯
※精神障害者保健福祉手帳1級を所持している方も対象
13,150円/月
在宅重度障害者介護料(他人介護料) 介護保険サービスなどを利用限度額まで利用しても、さらに介護が必要で、家族以外から介護を受ける世帯71,200円以内/月
在宅患者加算 結核患者もしくは3ヶ月以上にわたって医師の診断により在宅で治療や栄養補給を要する方がいる世帯1・2級地 13,270円/月
3級地    11,280円/月
※令和6年4月現在

これらの対象世帯に該当する場合は、さらに加算額が増える可能性があります。

ただし、いずれも自動的に適用される制度ではないので、事前申請が必要です。

自身が該当するか分からない際は、福祉事務所のケースワーカーに確認してみましょう。

障害者加算に該当する場合は忘れずに手続きをしよう

障害者加算は、一定の障がいがある方がいる生活保護世帯に支給される加算です。

支給対象になれば、毎月の生活保護費に加算が上乗せされて支給されます。

生活保護の支給額が増えれば、介護に必要な物品を購入したり、交通費を捻出したりしやすくなります。

ただし、障害者加算は自動的には加算されず、過去にさかのぼって請求することができません。

生活費の負担をより小さくするためにも、障害者加算の適用対象になったら可能な限り早く手続きを進めましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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