障がい者支援施設は、介護を要する障がい者が長期的に入所してさまざまな支援を受けられる施設です。
食事や排せつ、入浴など日常生活全般の介護を受けられるので、介護の必要性が高い方も安心して生活できます。
しかし、入所を希望しても空きがなかったり、入所できる障がいの種類が定められていたりすることがあるので注意が必要です。
本記事では、障がい者支援施設の対象者やサービス内容、入所費用、グループホームとの違いについて解説します。
障がいがあって施設入所を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

障がい者支援施設とは

障がい者支援施設は、日常生活に介護を要する障がい者がさまざまな支援を受けられる入所施設のことです。
ここでは、障がい者支援施設の対象者とサービス内容を解説します。
対象者
障がい者支援施設に入所できるのは、原則として18歳以上かつ以下のいずれかに当てはまる方です。
- 生活介護の利用者のうち障害支援区分4以上の方(50歳以上の方は区分3以上)
- 自立訓練、就労移行支援または就労継続支援B型の利用者のうち、入所しながら訓練をすることが効果的と認められた方(通所による訓練が困難な方も含む)
- 元々障がい者支援施設に入所している方
障害支援区分は、障がいのある方がどの程度の支援を必要としているかを判断する指標です。
区分1〜6と非該当の7段階に分けられ、数字が大きくなるほど支援の必要性が高くなります。
障害支援区分の認定を受ける流れについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
サービス内容
障がい者支援施設では、以下のいずれか、または複数のサービスを受けられます。
| サービス名 | サービス内容 |
| 生活介護 | 主に昼間、入浴や排せつ・食事など日常生活全般の介護を行う |
| 自立訓練(機能訓練) | 身体機能の維持や向上を目的に、理学療法や作業療法など専門的なリハビリを行う |
| 自立訓練(生活訓練) | 入浴や食事などの生活能力やコミュニケーション能力を高める訓練を行う |
| 就労移行支援 | 就労に向けたスキルアップや仕事探し、就職活動をサポートする |
| 就労継続支援B型 | 就労経験があるが、年齢や体力面で一般企業での雇用が難しい障がい者を対象として、就労に必要な知識やスキルを身につける支援を行う |
| 施設入所支援 | 主に夜間、排せつや食事などの介護を行う |
施設によって利用できるサービスが異なるため、あらかじめ自身に必要な支援が受けられるかを確認しておくことが大切です。
たとえば、就労に向けてサポートを受けたい方は、就労移行支援を提供している障がい支援施設に入所する必要があります。
施設見学の際などに、自身が必要とする支援が受けられるかを確認しておきましょう。
障がい者支援施設の入所費用

障がい者支援施設に入所する際は、障がい福祉サービス費や食費、光熱水費などがかかります。
障がい福祉サービス費は、所得に応じた負担上限月額が以下のように決められています。
| 区分 | 負担上限月額 |
| 生活保護 | 0円 |
| 低所得(市町村民税非課税世帯) | 0円 |
| 一般1(20歳未満の施設入所者かつ市町村民税課税世帯で所得割28万円未満※) | 9,300円 |
| 一般2(上記以外) | 37,200円 |
参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」
食費・光熱水費の自己負担額は、月額54,000円を限度として施設ごとに設定されています。
ただし、生活保護もしくは市町村民税非課税世帯の方には、食費・水光熱費を支払った後でも手元に25,000円以上が残るように給付金が支給されます。
この給付金を計算する際、就労による収入の全額が計算対象になるわけではありません。
収入のうち24,000円までは計算に含まれず、さらに24,000円を超過した金額の30%も収入として見なされない仕組みになっています。
たとえば、就労収入が64,000円の場合、給付金の計算上の就労収入は28,000円となります。
(就労収入64,000円-基礎控除24,000円)×0.7%=28,000円
給付金の支給額はそれぞれの収入によって異なるので、自治体の障がい福祉担当の窓口に確認してみましょう。
障がい者支援施設に入所する流れ

障がい者支援施設に入所する流れは、以下のとおりです。
- 自治体の障害福祉の窓口で申請をする
- 障害支援区分の認定を受ける
- サービス利用等計画案を作成し、自治体の窓口を提出する
- 支給決定後、障害福祉サービス受給者証を受け取る
- 入所したい施設を見学したうえで入所申込みをする
- 契約後、入所する
障害支援区分の認定を受けるためには、調査員が自宅などに訪問し、心身状況について確認する認定調査に応じる必要があります。
認定調査の結果と医師の意見書をふまえ、障害支援区分が決定されます。
申請から受給者証発行までに2〜3ヶ月ほどかかる場合があるので、入所を検討している方は早めに申請しましょう。
入所施設を決める際は、事前に施設を見学して、雰囲気や受けられるサービスを知っておくことが大切です。
見学時に施設での一日の過ごし方や食事内容、入所者の様子などを確認しておけば、入所後の生活をイメージしやすくなります。
障がい者支援施設とグループホームの違い

障がい者が入所できる施設には、障がい者グループホームもあります。
障がい者支援施設と障がい者グループホームでは、対象者やサービス内容に以下のような違いがあります。
| 障がい者支援施設 | 障がい者グループホーム | |
| 目的 | 身体状況に合わせて必要な介護・支援の提供 | 地域で自立した生活を送るための支援・訓練 |
| 対象者 | 原則として障害支援区分4以上 | 障害支援区分の条件なし |
| サービス内容 | 施設内で必要な介護や自立訓練を受ける (すべて施設内で完結する) | 主に夜間や休日に支援を受ける (日中は就労や日中活動サービスを利用する) |
| 費用 | ・サービス費 ・食費 ・光熱水費 など | ・家賃 ・サービス費 ・食費 ・光熱水費 など |
| 入所定員 | 数十名程度で大規模な施設が多い | 原則として10名以下 |
障がい者グループホームは、主に夜間や休日の支援が中心で、ある程度身のまわりのことができる方や、日中は就労などで外出される方が対象です。
そのため、入浴や食事など24時間体制での介護を必要とする方は、障がい者支援施設が適しています。
一方、将来的に地域での自立した生活を目指したい方は、グループホームで訓練を受けながら生活するのがおすすめです。
障がい者支援施設に入所する際の注意点

障がい者支援施設に入所する際は、以下の2つに注意が必要です。
- すぐに入所できない可能性がある
- 入所できる障がいの種類が定められている施設がある
それぞれ詳しく解説します。
すぐに入所できない可能性がある
障がい者支援施設は入所を希望しても空室がなく、すぐに入所できない場合があります。
なかには、50名以上の待機者がいたり、空いていても自宅から遠かったりする施設もあります。
入所できない状況を防ぐためにも、できる限り早めに申し込んでおくことが大切です。
各施設の待機状況は自治体のホームページに掲載されている場合もあるので、確認してみましょう。
入所できる障がいの種類が定められている施設がある
障がい者支援施設によっては「身体障がい者のみ」や「知的障がい者のみ」といったように、入所できる障がいの種類を限定している場合があります。
入所を希望する施設が見つかっても、自身の障がいが対象外であれば、入所できません。
入所を検討する際は、施設に直接問い合わせて、受け入れ対象となっているかを確認することをおすすめします。
自身に合った支援を受けられる障がい者支援施設に入所しよう
障がい者支援施設は、原則として障害支援区分が4以上の方など、常時介護が必要な方が入所できる施設です。
施設内で生活介護や自立訓練、施設入所支援など、昼夜を通じた支援を受けられます。
ただし、申請から入所までに2〜3ヶ月ほどかかることがあるうえに、地域によっては待機者が多く、すぐに入所できない可能性もあります。
また、施設ごとに対象となる障がいの種類が定められている場合もあるため、注意が必要です。
入所を検討している方は、早めに自治体の窓口へ相談し、自身に必要な支援が受けられる施設を見つけましょう。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士




コメント