障害児福祉手当と特別児童扶養手当は併給できる?受給要件や申請の流れを解説

福祉制度
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障害児福祉手当と特別児童扶養手当は同時に受給できるのか、疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、それぞれの受給要件を満たしていれば併給することができます。

どのような状態であれば受給できるのかは手当ごとに異なるので、あらかじめ要件に該当しているかを確認しておくことが大切です。

本記事では、障害児福祉手当と特別児童扶養手当の受給要件や申請の流れを解説します。

障害児福祉手当と特別児童扶養手当の申請を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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障害児福祉手当と特別児童扶養手当は併給できる 

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障害児福祉手当と特別児童扶養手当は、それぞれの受給要件を満たしていれば併給できます。

障害児福祉手当と特別児童扶養手当の受給額は、以下のとおりです。

手当受給月額
障害児福祉手当16,100円 
特別児童扶養手当1級 56,800円
2級 37,830円
※令和7年4月現在

障害児福祉手当が障がいのある子に支給される手当であるのに対し、特別児童扶養手当は扶養している保護者に支給される手当です。 

それぞれ対象者や受給要件が異なるため、一方の要件を満たしていても、もう一方を満たしていないケースもあります。

どちらも自治体の窓口で申請できますが、別々の制度であるため、それぞれ申請手続きが必要です。

両方の手当を受給できる場合、最大で72,900円/月の支援を受けられるので、生活費や療育にかかる費用負担が大きく軽減できます。

障害児福祉手当の受給要件 

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障害児福祉手当は、重度の障がいによって日常生活に常時介護を必要とする20歳未満の方に支給される手当です。

障害福祉手当の対象となる障がいの程度は、以下のとおりです。 

  • 両眼の視力の和が0.02以下である
  • 両耳の聴力低下によって補聴器を用いても音声を識別できない
  • 両上肢の機能に著しい障がいがある
  • 両上肢のすべての指を欠く
  • 両下肢の障がいによって立ち上がったり歩いたりできない
  • 両大腿の2分の1以上を失っている
  • 体幹機能の障がいによって座位を保つのが難しい
  • 精神障がいによって日常生活全般に全介助が必要 など

原則として、毎年2月、5月、8月、11月にそれぞれの前月分までが支給されます。

                                     

なお、障害のある児童が施設に入所していたり、同一の障害で年金を受け取っていたりする場合は、支給対象外となります。 

特別児童扶養手当の受給要件 

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特別児童扶養手当は、一定程度以上の障害がある20歳未満の児童を家庭で扶養している保護者に支給される手当です。

特別児童扶養手当は障がいの程度によって1級または2級に分けられます。

例えば、以下のような障がいがあるときに受給できます。 

1級・両目の視力がそれぞれ0.03以下
・両上肢もしくは両下肢機能に著しい障がいがある
・両上肢のすべての指を欠く
・足首以上の両下肢を欠く
・体幹機能の障がいによって座っていられない
・精神障がいによって日常生活全般に全介助が必要 など
2級・両目の視力がそれぞれ0.07以下
・一方の上肢もしくは下肢の機能に著しい障がいがある
・一方の上肢のすべての指を欠く
・体幹機能の障がいによって歩けない
・精神障がいにより各項目と同程度以上の日常生活の困難さがある など

特別児童扶養手当は、原則として毎年4月、8月、12月にそれぞれの前月分までが支給されます。

障害児福祉手当と同様に施設入所していたり障害年金を受給していたりすると、支給対象外となるので注意が必要です。 

支給対象となるかを確認したいときは、自治体の窓口に相談してみましょう。

所得制限によって受給できない場合がある

障害児福祉手当と特別児童扶養手当は、前年の所得に応じた所得制限が設けられています。

前年の所得が一定額を超えているときは、手当が支給されないので注意しましょう。

それぞれの手当における所得制限額の目安は、以下のとおりです。

受給資格者の所得目安配偶者・扶養義務者の所得目安
特別児童扶養手当4,976,000円6,536,000円
障害児福祉手当3,984,000円6,536,000円
※扶養人数が1人の場合

所得制限額は扶養人数や所得控除によって異なるので、自身が所得制限に該当するかあらかじめ確認しておきましょう。

障害児福祉手当と特別児童扶養手当の申請の流れ 

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障害児福祉手当と特別児童扶養手当の申請の流れは、以下のとおりです。

  1. 自治体の窓口に相談・申請する
  2. 障がいの程度や所得をもとに認定可否が審査される
  3. 認定もしくは不認定の通知を受ける
  4. 認定された場合は指定口座に手当が振り込まれる

なお、申請の際は以下の書類を持参しましょう。 

  • 障がいの状態がわかる診断書もしくは障害者手帳
  • 世帯全員の住民票
  • マイナンバーがわかるもの
  • 申請者の通帳の写し
  • 印鑑

必要書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に自治体の窓口やホームページで確認しておくのをおすすめします。

なお、障害児福祉手当と特別児童扶養手当ともに申請月の翌月分から支給開始となります。 

原則として、さかのぼって支給されないため、対象となる場合は速やかに申請しましょう。

障害児福祉手当や特別児童扶養手当と併給できる手当

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障害児福祉手当や特別児童扶養手当は、以下の手当と併給できます。

  • 児童手当
  • 児童扶養手当
  • 自治体独自の手当

それぞれ詳しく解説します。

児童手当 

児童手当は、0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童を養育する保護者に支給される手当です。

障害児福祉手当や特別児童扶養手当の受給の有無に関わらず、要件を満たせば受給できます。

児童手当の支給額は、以下のとおりです。

年齢1人あたりの月額
3歳未満15,000円
(第3子以降は30,000円)
3歳~18歳を迎えた後最初の3月31日までの児童10,000円
(第3子以降は30,000円
※第3子以降とは、22歳を迎えた後最初の3月31日までの間にあり、かつ親等に経済的負担のある子を順に数え、3番目以降に該当する子を指す

児童が生まれた日の翌日から15日以内に申請する必要があり、遅れると手当の一部が受給できなくなるため期限内に申請しましょう。

児童扶養手当 

児童扶養手当は、障がいの有無に関わらず、父母のいない児童やひとり親世帯の児童に支給される手当です。

18歳に到達する日以後の最初の3月31日までの児童が対象ですが、一定の障がいがある場合は20歳未満まで受給できます。

児童扶養手当の支給額は、以下のとおりです。

全部支給の月額一部支給の月額
児童1人目46,690円46,680円~11,010円
児童2人目以降(1人につき)11,030円11,020円~5,520円
※令和7年4月現在

児童扶養手当の支給額は、受給者の所得によって全部支給もしくは一部支給となります。

所得が限度額を超えていると受給できないため、対象となるかどうかを知りたい場合は自治体の窓口で確認してみましょう。

自治体独自の手当 

一部の自治体では、以下のような手当や給付金を独自で運営している場合があります。

  • 児童育成手当(東京都)
  • 岡山県児童福祉年金(岡山県)
  • 神奈川県在宅重度障害者等手当制度(神奈川県)

これらの手当を国の制度とあわせて受給すると、生活費や介護費への負担を軽減できます。

なかには、国の制度と併用できない自治体もあるので、自治体の窓口に確認することをおすすめします。

障害児福祉手当と特別児童扶養手当を併給する際によくある質問

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最後に、障害児福祉手当と特別児童扶養手当を併給する際によくある質問に答えていきます。

所得が変わった場合はどうなる? 

前年の所得が制限額を超えると、その年の8月分から翌年の7月分までの手当が支給停止になります。

例えば、令和6年の所得が制限額を超えた場合、令和7年8月から令和8年7月分の手当は支給されません。

所得が制限額以下に戻った場合は、現況届を提出することで再び受給できます。

障がいの程度が変わったら受給できなくなる?

障がいの程度が軽くなり、受給要件を満たさなくなった場合は支給対象外となります。

逆に障がいが重くなると、等級変更によって受給額が増える可能性があります。

届出が遅れると、過払い分の返還といったペナルティを受ける可能性があるので、身体状況に変化があった場合は、速やかに自治体の窓口に報告しましょう。

障害児福祉手当と特別児童扶養手当の受給要件を満たしている人は併給しよう

障害児福祉手当と特別児童扶養手当は、それぞれの受給要件を満たしていれば併給できます。

両方を受給することで、月に最大72,900円の経済的支援が受けられ、医療費や介護費、生活費などの負担を軽減できます。

状況によっては児童手当や児童扶養手当、自治体独自の手当も併せて受給できる可能性があるので、お住まいの自治体の窓口に確認してみましょう。

なお、子育て費用や生活費の支払いに困っている方は、ファイナンシャルプランナーへ相談するのがおすすめです。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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