地域密着型サービスとは?対象者や居宅サービスとの違いを解説

福祉制度
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地域密着型サービスはどのようなサービスなのだろうと疑問を感じていませんか。

地域密着型サービスは、地域住民が長く住んだ地域で安心して暮らせるように支援する介護サービスです。

定員が少ないサービスが多いため、柔軟に対応してもらいやすかったり、スタッフや利用者同士でなじみの関係がつくりやすかったりするメリットがあります。

しかし、地域密着型サービスを提供する事業所と同じ自治体の住民でなければ、原則としてサービスが受けられないので注意が必要です。

サービスを必要としたときに受けられない状況にならないためにも、地域密着型サービスがどのような制度であるのかを知っておくことが大切です。

そこで本記事では、地域密着型サービスの内容や対象者、居宅サービスとの違いを解説します。

介護が必要になっても、いま住んでいる地域でケアを受けて生活したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

2024-7-9-01
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地域密着型サービスとは

2024-7-9-02

地域密着型サービスとは、要介護状態になった高齢者が慣れ親しんだ地域で長く暮らし続けられるように支援する介護サービスのことです。 

地域密着型サービスには、以下の9つのサービスがあります。 

サービス名特徴
定期巡回・随時対応型訪問介護看護24時間365日、緊急コールを受けた介護士や看護師によるケアを受けられる
寝たきりや認知症など、頻回な声かけ・介助を要す場合に利用できる
夜間対応型訪問介護22時から朝6時までの夜間帯に、介護士が定期巡回したり緊急時に訪問したりする 
地域密着型通所介護利用定員18人以下の小規模なデイサービス 
認知症対応型通所介護認知症の方のみが利用できる利用定員12人以下のデイサービス 
小規模多機能型居宅介護1つの事業所で訪問、通い、泊まりを組み合わせた支援を受けられる 
看護小規模多機能型居宅介護小規模多機能型居宅介護に加えて訪問看護を組み合わせたサービス
医療依存度の高い方や自宅で看取りを希望する方も利用できる 
認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)
認知症の方が食事や入浴など日常生活上の支援を受けながら生活する施設 
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護小規模で運営される特別養護老人ホーム
入所定員は29人以下 
地域密着型特定施設入居者生活介護小規模で運営される介護付き有料老人ホームやケアハウスなど

地域密着型サービスは、地域の特性やサービスの必要性に応じて事業所が設置されます。

利用者の要望に臨機応変に対応する地域密着型サービスは、一般的な居宅サービスよりも小規模であるケースが多いため、サービスを受けられる定員が少ないのが特徴です。

独立行政法人福祉医療機構で行われた「特別養護老人ホームの入所状況に関する調査」(2019年度)によると、一般的な特別養護老人ホームの入所定員の平均は67.3人とされています。

一方、地域密着型介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の入所定員は29人以下と少なくなっています。 

そのため、介護を必要としている人が入所できないことも考えられるでしょう。

入所定員が少ないことはデメリットになることもありますが、少人数で過ごす時間が増えることで顔なじみの関係を作りやすかったり、きめ細やかなケアを受けられたりするようなメリットがあります。

地域密着型サービスの対象者

2024-7-9-03

地域密着型サービスの対象者は、以下の条件を満たしている方です。

  • 要介護認定を受けている
  • 65歳以上の高齢者である
    (40~64歳で特定疾病により要介護認定を受けている方も含む)
  • サービス事業者のある市区町村に住民票がある

地域密着型サービスは、サービス事業者のある自治体に住む方のみが利用できるサービスです。

例えば、A町の認知症対応型共同生活介護(グループホーム)には、原則としてB町に住む方は入所できません。

B町に住む方が利用すると、A町に長年住んだ方が介護を要する状態になったときに地域内でサービスを受けられない可能性があるためです。

ただし、隣接する自治体に住んでいる方であれば、事業所のある自治体の同意を得て、他の自治体の地域密着型サービスを利用できる場合があります。

同意を得ずに利用すると介護保険の対象外となり、全額自己負担になるので注意が必要です。

他の自治体の地域密着型サービスを利用したい場合は、ケアマネジャーを通して事業所のある自治体へ相談してみましょう。

地域密着型サービスと居宅サービスの違い

2024-7-9-04

地域密着型サービスと居宅サービスは、いずれも要介護認定を受けた方を対象にしていますが、サービスの特徴が異なります。

それぞれの違いは、以下の通りです。

地域密着型サービス居宅サービス
サービスの特徴   ・訪問、通所、泊まりの支援を1つの事業所でまとめて受けられるサービスがある
・小規模で利用者のニーズに沿った支援を受けられる
訪問、通所、短期入所サービスの3つに分かれており、さまざまなサービスを組み合わせて利用する
利用者の居住地域     事業所のある市区町村に住む方が対象他の市区町村に住む方も対象
サービス費用以下の2種類がある
・利用回数に応じて支払う
・月単位の定額を支払う
利用回数に応じて支払う
指定権者
(指定・監督をする機関)
市区町村 都道府県・政令都市・中核市

地域密着型サービスは、地域住民のニーズに応じたサービスを整えるため、市区町村がサービス事業者の指定や監督を行います。

最も身近な行政機関である市区町村が指定することで、より地域の実情や課題に対応したサービスを提供できるのが特徴です。

また、地域密着型サービスのなかには、月単位で利用できる定額制サービスがあります。

例えば、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、1ヶ月に訪問や通所サービスを何度利用しても料金は定額です。

居宅サービスを複数回利用すると、利用限度額を超過してしまう可能性があります。

一方、毎月定額の地域密着型サービスを選べば、何度利用しても介護保険の支給限度額を超える心配がないので、費用を気にすることなく支援を受けられます。

小規模多機能型居宅介護のサービス内容は、以下の記事で紹介しています。

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地域密着型サービスの注意点

2024-7-9-05

地域密着型サービスの注意点は、以下の2つです。

  • 地域によって提供されるサービスが異なる
  • 転入後は利用制限が設けられている場合がある

地域によって提供されるサービスが異なる

地域密着型サービスは、地域のニーズに応じて提供されるサービスが決まります。

そのため、他の自治体で提供しているサービスが、自分が住んでいる地域で受けられない場合があります。

居住地で利用できる地域密着型サービスを知りたい場合は、自治体の窓口やホームページで確認してみましょう。

転入後は利用制限が設けられる場合がある 

地域密着型サービスは、地域住民が長く住み続けている場所で生活を維持することを目的としたサービスです。

そのため、他の自治体の利用者がサービスの利用目的で転入して、元々住む方が利用できない状況を避けるために転入者に対して利用制限が設けている自治体があります。

一般的に3〜6ヶ月の利用制限となる場合が多く、この期間は原則として地域密着型サービスを利用できません。 

生活に必要な支援を受けるためにも、転入後に地域密着型サービスを利用する際は、利用制限の有無を確認しておきましょう。

住み慣れた地域で生活するために地域密着型サービスを利用しよう

地域密着型サービスは、要介護状態になった高齢者が住み慣れた地域で長く暮らし続けられるようにするための介護サービスです。

地域密着型サービスのなかには、24時間ケアが受けられたり、自宅看取りができたりするサービスがあるので、自宅で長く生活し続けたい人にとって心強いサービスです。

慣れ親しんだ地域で長く住み続けるためにも、地域密着型サービスを活用してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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