介護施設への入所を検討している方のなかには「保証人を頼める人がいない」「保証人がいなくても入所できるのか」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
多くの施設では入所時に保証人が必要となりますが、成年後見制度や身元保証サービスを活用すれば、保証人がいない方でも入所できる可能性があります。
入所直前に困らないためにも、どのような手段があるのかを事前に知っておくことが大切です。
そこで本記事では、保証人がいない場合の対処方法や信頼できる身元保証会社の選び方を解説します。
介護施設への入所を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

保証人がいなくても介護施設に入所できる場合がある

保証人を頼める人が身近にいなくても、適切な支援制度を利用することで介護施設に入所できる場合があります。
最近では、保証人がいなくても入所できる施設や、民間の保証会社を案内してくれる施設もあります。
まずは希望する施設の入所条件を確認し、自身に合った解決策を検討しましょう。
介護施設へ入所する際に保証人が必要な理由

介護施設へ入所する際に保証人が求められる主な理由は、以下の3つです。
- 入所費用の支払いを保証するため
- 入院手続きや緊急時の意思決定をサポートするため
- 退所時の手続きを代行するため
それぞれ詳しく解説します。
入所費用の支払いを保証するため
介護施設は、入所費用の支払いが滞った際の備えとして、本人に代わって費用を支払える保証人を必要としています。
たとえば、本人の口座凍結などが原因で長期間の未払いが発生しても、保証人がいれば費用の支払いを受けられます。
介護施設は保証人がいることで安心して入所者を受け入れ、適切なサービスを提供できるようになるのです。
入院手続きや緊急時の意思決定をサポートするため
病気やケガで入院が必要になった際は、本人に代わって手続きを行ったり、病状説明や治療方針の協議に応じたりする人が必要です。
介護施設は、本人の代わりに病院と協議することはできません。
そのため、緊急時にすぐ連絡がつき、窓口となって対応してくれる保証人が求められます。
退所時の手続きを代行するため
入所者が退所するときや亡くなったときは、居室の片付けや遺品の引き取り、退所に関わる手続きを代行する人が必要となります。
施設側には本人の荷物を処分したり、部屋を明け渡したりする権限がなく、保証人がいなければ退所手続きが進められません。
荷物が放置されるトラブルを防いだり、手続きをスムーズに進めたりするためにも、退所時の対応を任せられる保証人が求められます。
保証人がいない場合の対処方法

保証人がいない場合の対処方法は、以下のとおりです。
- 保証人不要でも入所できる施設を探す
- 成年後見制度を活用する
- 身元保証サービスを利用する
それぞれ詳しく解説します。
保証人不要でも入所できる施設を探す
特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、保証人がいないことだけを理由に入所を断られることはありません。
国の方針として、身寄りがないことによる入所の拒否は不適切な対応とされているため、公的な施設であれば、保証人がいない方の入所も可能です。
また、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でも、保証人を必要としない施設があります。
平成25年度に公益社団法人全国有料老人ホーム協会が行った調査で、約9割の介護付き有料老人ホームが保証人を求めていますが、1割の施設では保証人を不要としています。
まずは、希望する施設に保証人がいなくても入所可能かを確認してみることが大切です。
成年後見制度を活用する
成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な方の契約や財産管理をサポートする制度です。
家庭裁判所に選ばれた成年後見人が施設との入所契約を代理で行うため、保証人の代わりとして認められる場合があります。
ただし、成年後見人はあくまで本人の代理人であり、施設の費用を代わりに支払う連帯保証人にはなれません。
成年後見人が保証人として認められるかは施設によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
身元保証サービスを利用する
身元保証サービスは、保証人がいない高齢者に代わって身元保証や緊急時の対応、死後事務などを引き受ける民間サービスです。
保証人がいない場合、保証会社と契約することで入所が認められる施設があります。
一定の費用を支払うことで専門会社からサポートを受けられますが、契約内容や対応範囲は会社によって異なります。
どの保証会社を選べばよいか迷ったときは、自治体の窓口や管轄の地域包括支援センターに相談してみましょう。
信頼できる身元保証会社を選ぶためのチェックポイント

信頼できる身元保証会社を選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。
- 契約内容や費用体系に透明性があるか
- 緊急時の連絡先や対応が明らかになっているか
- 経営基盤が安定しているか
1つずつ解説します。
契約内容や費用体系に透明性があるか
料金表や見積書に初期費用や月額費用が明記されているかを確認しましょう。
利用後に高額な追加費用が発生するトラブルを防ぐためにも、見積もりの段階でチェックしておくことが大切です。
また、金額に対してサービス内容が適正かどうか、複数の会社で比較検討してみることをおすすめします。
緊急時の連絡先や対応が明らかになっているか
急な入院など、万が一のときの連絡先やサポート体制がしっかり整っているかを確認することも大切です。
24時間365日いつでも連絡がつく窓口があるか、実際にどのような対応をしてもらえるかを事前に確認しておきましょう。
緊急時の駆けつけサービスなどが充実している会社であれば、いざという時も安心できます。
経営基盤が安定しているか
運営主体の会社概要やこれまでの事業実績をホームページなどで確認し、信頼できる運営体制かを見極めましょう。
社会福祉法人やNPO法人と連携している会社であれば、不透明な契約を結ばされるリスクが低いと判断できます。
保証人がいない方が介護施設に入所する際によくある質問

最後に、保証人がいない方が介護施設に入所する際によくある質問に回答します。
保証人と身元引受人の違いは?
施設に入所する際は、保証人または身元引受人が必要となる場合があります。
それぞれの違いは、以下のとおりです。
| 保証人 | 身元引受人 | |
| 主な役割 | 入所費用の未払い時の支払い | ・緊急時の対応 ・入退院時の手続き など |
| 意思決定の代理 | 原則として行わない | 本人の意向を踏まえて治療・ケア方針の協議に応じる |
| 退所時の対応 | 未払い分の精算を行う | ・居室の片づけ ・退所時の事務手続き など |
保証人と身元引受人では、責任の範囲が異なりますが、介護施設では両方の役割を求められることが多いです。
そのため、保証人でも緊急時の対応や入退院時の手続きまで求められるのが一般的です。
生活保護で保証人がいなくても施設に入所できる?
生活保護で保証人がいない方でも、介護施設への入所は可能です。
まずは担当のケースワーカーに現在の状況を伝えて、どのように入所手続きを進めればよいか相談してみましょう。
また、生活保護の方を対象とした救護施設であれば、日常生活全般のケアを受けられ、保証人がいなくても入所できる可能性が高まります。
救護施設の入所要件や受けられるサービスは、以下の記事で詳しく解説しています。

認知症で保証人がいなくても施設に入所できる?
認知症で判断能力が不十分になっている場合、適切に手続きができないため、入所が難しくなってしまいます。
自身での契約が難しいときは、成年後見制度を活用して後見人を立てることで、入所手続きを進めることが可能です。
後見人では保証人として認められない場合は、身元保証サービスも利用することで入所が認められやすくなります。
保証人がいないときは身元保証サービスを利用しよう
身寄りがなかったり親族に保証人を頼めなかったりする場合でも、成年後見制度や身元保証サービスを利用することで、介護施設に入所できる可能性があります。
まずは、希望する施設で保証人がいなくても入所できるか、保証人が必要な場合はどのようなサービスや制度を利用すればよいかを相談してみましょう。
身元保証サービスを利用する際は、費用の透明性や緊急時の対応体制、経営の安定性などをチェックして、信頼できる会社を選ぶことが大切です。
保証会社ごとにサービス内容が異なるため、自身に必要なサポートが受けられるかを確認しましょう。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士



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