生活保護と障害年金は同時に受け取れる?メリットや注意点を解説

福祉制度
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生活保護を受給していて障がいがある方のなかには、障害年金を受給できるのか疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

生活保護と障害年金は併給できますが、併給調整によって生活保護費が一部減額されます。

障害年金を受給すると、障害者加算が支給されることで受給額が増える可能性があるため、対象となる方は障害年金の申請を検討しましょう。

本記事では、生活保護と障害年金を併給した際のメリットや注意点を解説します。

生活保護を受給していて障害年金の申請を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

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生活保護と障害年金は併給できる

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生活保護と障害年金は、受給要件を満たすことで併給可能です。 

ただし、障害年金は収入として認定されるため、受給額に応じて生活保護費が調整されます。

例えば、月10万円の生活保護を受けている人が月6万円の障害年金を受給できるようになった場合、生活保護費は月4万円に減額されます。

つまり、障害年金の支給分だけ生活保護費が減額されるため、毎月の総受給額は変わりません。

なお、障害年金の受給により収入が生活保護基準額を超えた場合、生活保護の支給は停止されます。

障害年金の遡及請求分は返還しなければならない場合がある

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障害年金を申請すると、初診日から最大5年前までさかのぼって支給される場合があります。 

これを遡及請求といい、生活保護受給中に障害年金の受給が決まると、同期間に重複して給付を受けたことになるため、生活保護費の一部返還が求められる場合があります。 

生活保護費を返還する際は原則として一括で求められるため、まとまった金額を一度に支払う必要があります。

障害年金の遡及分で受け取った金額から支払うことになりますが、あらかじめ重複期間分は返還しなければならないことを認識しておきましょう。 

生活保護を受給している人が障害年金を受給するメリット

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生活保護受給者が障害年金を併給することには、主に3つのメリットがあります。

  • 障害年金の使途は制限されない
  • 障害者加算が支給される可能性がある
  • 障害年金は基本的に所得制限がない

それぞれ詳しく紹介します。

障害年金の使途は制限されない

生活保護費は最低限必要な費用として支給され、使途には一定の制約があります。 

一方、障害年金は使途制限がないため、自由に使うことができるのが嬉しいポイントです。

例えば、月6万円の障害年金を受給している場合、その6万円分は自由に使える収入として活用できます。

生活保護費では使いづらい支出であっても障害年金であれば気兼ねなく使うことができます。

障害者加算が支給される可能性がある

障害者加算とは、生活保護の受給世帯に一定の障がいがある人がいる場合、生活保護費に上乗せして支給される加算のことです。

障がいの原因となった症状の初診日から1年6ヶ月経過、または症状が固定し、以下の状態にある人が対象となります。 

  • 身体障害者手帳1級または2級、もしくは障害年金1級程度の障がいがある方
  • 身体障害者手帳3級、もしくは障害年金2級程度の障がいがある方

これらに加えて、精神障がい者の場合、精神障害者保健福祉手帳1級または2級を所持していれば、障害者加算の対象になる場合があります。

障害者加算の対象となると、障害等級や住んでいる地域(級地)に応じて月14,870円~26,810円が支給されます(令和7年7月現在)。

障害者加算が支給されることで、生活保護の支給額が増額するのは大きなメリットです。

障害者加算の加算額や申請方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

障害年金は基本的に所得制限がない

障害年金は20歳前の傷病による障害基礎年金を除いて、所得制限はありません。 

そのため、将来的に働いて収入が増加しても障害年金は継続して受給できます。

生活保護は収入増加により支給停止となりますが、障害年金は受給できるため、経済的安定を図りながら社会復帰を目指せるのが大きなメリットです。

生活保護の人が障害年金を受給するときの注意点

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生活保護の人が障害年金を受給するときは、以下の点についてあらかじめ知っておくことが大切です。

  • 生活保護と障害年金は支給のタイミングが異なる
  • 複数の窓口で手続きが必要になる

1つずつ見ていきましょう。

生活保護と障害年金は支給のタイミングが異なる

一般的に、生活保護は毎月初旬に支給されますが、障害年金は偶数月の15日に2ヶ月分がまとめて支給されます。

そのため、障害年金が支給されない奇数月は、生活保護費のみで家計をやりくりする必要があります。

生活保護費が月4万円、障害年金が月6万円の場合、偶数月は生活保護費と障害年金2か月分で計16万円の収入がありますが、奇数月は生活保護費4万円しか支給されません。

このような収入の変動を理解したうえで、計画的に家計管理をすることが大切です。

複数の窓口で手続きが必要になる

障害年金を受給するときは、診断書の作成依頼をしたり、申請窓口での手続きをしたりする必要があります。

障害年金の受給額は収入と見なされるため、福祉事務所に収入申告をしなければなりません。

障害年金を受給するときは、自治体窓口や年金事務所などで手続きをする必要があります。

このように生活保護と障害年金では、手続きの種類や場所が異なるため、大きな負担になる可能性があります。

自身で手続きをすることが難しい場合は、家族や支援者に協力を求めるようにしましょう。

障害年金の申請方法

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障害年金の申請をする際は、自治体窓口もしくは年金事務所への申請が必要です。

以下の書類を持参して、手続きを行いましょう。 

必要書類取得場所
年金請求書自治体もしくは年金事務所の窓口
受診状況等証明書自治体や年金事務所の窓口、もしくは日本年金機構のホームページ
病歴・就労状況等申立書
医師の診断書(障害認定日から3ヶ月以内のもの、現在のものの計2枚)医療機関
基礎年金番号がわかる書類(基礎年金番号通知書や年金手帳など)
戸籍謄本や戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票のいずれか自治体の窓口
受取先金融機関の通帳

障害年金は申請から支給決定まで約3ヶ月、支給されるまでに1〜2ヶ月かかります。

加えて、診断書の作成に時間がかかる可能性があるので、早めに準備することが大切です。

生活保護との重複期間があるときは、その旨を福祉事務所の担当者に連絡するようにしましょう。

生活保護と障害年金を受給する際のよくある質問

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最後に、生活保護と障害年金を受給する際のよくある質問に答えていきます。

障害年金が生活保護費より多い場合はどうなる?

障害年金が生活保護の最低生活費を超える場合、生活保護は廃止されます。

収入が生活保護基準を上回ったときは、速やかに福祉事務所に報告するようにしましょう。

報告を怠ると、過払い分の返還を求められる場合があるので注意が必要です。

家族が障害年金を受給すると生活保護を受けられなくなる?

家族が障害年金を受給する場合、その収入も世帯の収入として認定されます。

世帯全体の収入が最低生活費を超えると、生活保護の支給は受けられません。

家族が障害年金を受給するなど、収入状況に変化があった場合は、福祉事務所への報告を忘れずに行いましょう。

生活保護を受給中でも障害年金の受給要件を満たしているときは併給しよう

生活保護を受給中の人も、障害年金の受給要件を満たしていれば併給できます。

ただし、障害年金は収入として認定されるため生活保護費が調整されることを認識しておきましょう。

障害年金には使途制限がなかったり、障害者加算が受けられたりするメリットがあるので、対象となる方は障害年金を申請することをおすすめします。

自身が障害年金の対象になるかわからない場合は、自治体の窓口や年金事務所に相談してみましょう。

障がいによって働けなかったり、就労が制限されたりして生活費のやりくりに困っている場合は、ファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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