聴覚障害がある人のなかには「どんな仕事が自分に向いているのだろうか」「働きやすい職場が見つけられるのか」といった不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
聴覚障害がある人が仕事を探すときは、自分の強みを活かせる職種や、必要なサポートを受けられる職場を選ぶことが大切です。
この記事では、聴覚障害のある人が働きやすい仕事を解説します。
仕事を探すときのチェックポイントや相談窓口も紹介しているので、就職活動の進め方に悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

聴覚障害のある人の雇用状況

厚生労働省が公表した「令和6年 障害者雇用状況の集計結果」では、32,394人の聴覚障害のある人が民間企業で働いているとされてます。
そのうち、雇用人数が多い業種は以下の6つです。
業種 | 人数 |
製造業 | 12,772人 |
医療、福祉 | 3,636人 |
卸売業、小売業 | 3,192人 |
サービス業 | 2,835人 |
金融業、保険業 | 2,328人 |
情報通信業 | 1,682人 |
また、以下の公的機関でも聴覚障害のある人の多くが活躍しています。
国 | 318人 |
都道府県 | 451人 |
市町村 | 1,642人 |
独立行政法人 | 483人 |
聴覚障害のある人が働きやすい仕事

聴覚障害のある人は、自分の特性や強みを活かせる職種を選ぶことで働きやすさを感じやすくなるでしょう。
聴覚障害のある人におすすめの職種は、以下の4つです。
- データ入力などの事務作業
- 在庫管理などの軽作業
- ライターやwebデザイナー
- システムエンジニアやプログラマー
それぞれの仕事内容について、詳しく紹介していきます。
データ入力などの事務作業
データ入力をはじめとする事務作業は、文字や画面でのやり取りが中心となるため、聴覚障害のある人が力を発揮しやすい仕事です。
事務作業には、以下のような業務があります。
- 各種データの入力作業
- 書類の作成や整理
- 社内文書の管理 など
特に、タイピングの正確さに自信がある人や、仕事を丁寧に進められる人に向いているでしょう。
ただし、企業によっては電話応対が必要となる場合もあるため、事前に具体的な業務内容を確認しておくことをおすすめします。
在庫管理などの軽作業
在庫管理などの軽作業は、目視での確認作業が中心となるので、基本的に一人で完結できる業務が多いのが特徴です。
具体的な業務内容は、以下の通りです。
- 商品の入出荷管理
- 在庫数の確認・記録
- 商品の仕分け
- 棚卸し作業 など
これらの作業は決められた手順に沿って進めることが多いので、業務の流れを覚えればスムーズにこなせるようになるでしょう。
また、同僚とコミュニケーションを取る機会が比較的少ないため、一人で黙々と働きたい人におすすめの職種といえます。
ライターやWebデザイナー
ライターの主な仕事は、Webサイトや雑誌に掲載する記事を執筆することです。
具体的には、以下のような業務があります。
- Webサイトの記事作成
- 商品やサービスの紹介文の執筆
- 取材内容の文章化
- SNSの投稿作成 など
文章を読んだり書いたりすることが好きな人や、情報を分かりやすく整理して伝えることが得意な人に向いています。
Webデザイナーは、以下のようなWeb上のデザインを手がける仕事です。
- Webサイトのレイアウトやデザインの作成
- ユーザーが使いやすいサイト設計
- バナーやアイコンなどの画像制作 など
未経験からチャレンジする場合は、オンラインスクールや職業訓練などを活用して、基礎知識を学んでおくのがおすすめです。
システムエンジニアやプログラマー
パソコンでの作業が中心となるシステムエンジニアやプログラマーは、メールやチャットでやり取りすることが多いため、聴覚障害のある人も働きやすい職種です。
これらの職種で働くためには、プログラミング言語などの専門知識を身につけておく必要があります。
独学でも学べますが、必要なスキルをよりスムーズに身につけるためには、以下の方法で学ぶのがおすすめです。
- 職業訓練によるプログラミング講座
- 就労移行支援事業所での訓練
これらの支援制度を活用することで、プログラミング未経験の人でもエンジニアに挑戦しやすくなります。
聴覚障害のある人が仕事を探すときのチェックポイント

聴覚障害のある人が仕事を探すときは「必要なサポートを受けられるか」や「設備や環境が整っているか」を確認しておくことが大切です。
それぞれのチェックポイントを詳しく見ていきましょう。
必要なサポートを受けられるか
聴覚障害のある人が仕事を探すときは、必要なサポートを受けられるかをチェックすることが大切です。
特に、以下の点について確認しておくことをおすすめします。
- 筆談やメールで業務の指示を受けられるか
- マニュアルが整備されているか
- 会議での手話通訳や文字通訳などのサポートがあるか
- 休暇の申請などの日常的な連絡をメールでおこなえるか
これらのサポート体制が整っているかを確認しておくと、安心して働きやすい仕事を見つけやすくなるでしょう。
設備や環境が整っているか
職場を選ぶときは、聴覚障害のある人が仕事をしやすい環境が整っているかを確認することが大切です。
例えば、以下のような機器を導入している企業であれば、働きやすいといえるでしょう。
- 筆談ボード
- 音声認識ソフト
- 電子メモパッド、タブレット
- 聴覚障害がある人向けのドアベル(光の点滅や振動で訪問者を知らせる)
- 非常用パトライト
また、視覚的にわかりやすい電光案内板があると、災害などの緊急時にも必要な情報を得られます。
聴覚障害のある人が利用できる相談窓口

聴覚障害のある人が就労のために利用できる相談機関は、以下の通りです。
- ハローワーク
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 就労移行支援事業所
それぞれ詳しく紹介します。
ハローワーク
ハローワークには、障がいのある人の就職活動を支援する専用窓口が設けられています。
求職申し込みから就職後まで、すべてのサポートが無料で受けられるのが特長です。
聴覚障害のある人がスムーズに就業相談ができるように、手話協力員を配置しているハローワークもあります。
ただし、手話協力員のサポートを受けられる日時はハローワークによって異なるので、事前にホームページで確認したうえで来所予約をしておきましょう。
加えて、ハローワークでは、公共職業訓練(ハロートレーニング)の相談や申し込みができます。
希望する分野の職業訓練があれば、積極的に活用して必要なスキルを身につけましょう。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障がいのある人に対して専門的な職業評価や就職支援をおこなう機関です。
自分にどんな仕事が向いているかを知るために、職業適性の検査を受けたり相談したりできます。
また、地域障害者職業センターでは、就職後の支援としてジョブコーチによるサポートも受けられます。
ジョブコーチとは、障がいのある人が働く職場を訪問し、従業員との関わり方や、効率のよい仕事方法を助言してくれるサポーターのことです。
就職後の仕事内容や職場環境に不安がある方は、ジョブコーチの活用を検討しましょう。
ジョブコーチの支援内容や利用方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、就職に向けた準備だけでなく、生活面の相談もできる機関です。
具体的には、以下のような支援を受けられます。
- 就労相談
- 職場実習の機会提供
- 職場定着に向けた職場訪問
- 健康管理や金銭管理についての助言 など
仕事のことだけでなく、生活面の悩みや不安も相談できるため、就職に向けて総合的なサポートを受けられます。
最寄りの障害者就業・生活支援センターは、こちらから確認してみましょう。https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001242595.pdf
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障がいのある人が一般企業などで働くための知識やスキルを身につける訓練施設です。
例えば、以下のような支援が受けられます。
- 適性に合った職場探しのサポート
- 就職に向けたトレーニング
- 採用面接の指導や履歴書の添削
- 職場定着のための支援
就労移行支援を利用すると、就労に向けたトレーニングを受けながら、自分に合った就職先を探せます。
就労前にスキルを身につけたい人は、就労移行支援の利用を検討してみましょう。
就労移行支援事業所を探す際は、以下のような検索サイトを利用して実際の口コミや就職実績を確認するのがおすすめです。
https://shigoto4you.com/office
就労移行支援を利用するメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
聴覚障害のある人は相談窓口を活用して自分に合った仕事を見つけよう
データ入力や在庫管理、Webライターなどの仕事は、聴覚障害がある人の強みを活かせたりコミュニケーションの負担が少なかったりするため、働きやすい職種といえます。
仕事の探し方に悩んだ場合は、ハローワークや地域障害者職業センターなどの相談窓口を活用してみましょう。
仕事が見つかるまでの生活費に不安がある方は、ファイナンシャルプランナーへの相談がおすすめです。
お困りの方は、お気軽にご相談ください。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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