発達障がいの子どもが受けられる手当や助成とは|概要や支給要件を紹介

福祉制度
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発達障がいのある子どもは、国や自治体からの手当を受けられる可能性があることをご存じでしょうか。

発達障がいは外見ではわかりにくい障がいですが、日常生活にさまざまな困難を抱えることがあります。

障がいの特性が他者に伝わりにくいことによって、子どもの手助けや見守りをするために、働く時間を短くしたり働けなかったりする保護者もいるでしょう。

そこで本記事では、発達障がいのある子どもが受けられる手当や助成の概要、支給条件について紹介します。

経済的な不安を軽減しながら、発達障がいの子どもを育てていきたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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対象となる発達障がいの種類

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発達障がいのある子どもが受けられる手当は、以下のいずれかに該当すると支給される可能性があります。

種類特徴
自閉スペクトラム症(ASD)・特定のことに強い興味や関心がある
・対人コミュニケーションが苦手
注意欠如・多動症(ADHD)・一つのことに長く集中できない
・自分の行動を抑制できない
学習障害(LD)・読み書きや計算など特定の学習のみ苦手
・全般的な知的発達には遅れがない

これらの障がいで日常生活に手助けを必要とする子どもを育てていると、保護者が仕事を続けられない場合もあるでしょう。

しかし、療育に通ったり子どもに適した就学先を探したりするなど、家計には多くの負担がかかります。

そのような場合に手当が受給できると、経済的負担の軽減につながるでしょう。

障がいのある子どもの就学先の選択肢や決め方が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。

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発達障がいの子どもが受けられる手当

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発達障がいのある子どもが受給できる可能性のある手当は、以下の3つです。

  • 特別児童扶養手当
  • 障害児福祉手当
  • 自治体独自の手当

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当は、20歳未満の障がい児を家庭で育てている保護者に支給される手当です。

障がいの程度によって以下の等級に分けられ、手当の受給額が異なります。

等級 支給額
1級  月53,700円  
2級 月35,760円  
※令和5年8月現在

1級は常に介助を要する状態、2級は生活の一部に介助が必要な状態を指し、医師が作成した診断書をもとに、受給の可否や等級が決められます。

ただし、障がいのある子どもが施設に入所していたり、同一の障がいで年金を受け取っていたりする場合は支給対象外となることに注意が必要です。

また、支給後も症状が変化していないか確認するために、原則として1〜2年に1度、診断書などを提出して再認定を受けなければなりません。

支給申請や相談は自治体の窓口で行えるので、対象になるか確認したい場合は自治体に相談してみましょう。

障害児福祉手当

障害児福祉手当は、常時介護を要する20歳未満の障がい児に支給される手当です。

対象となれば、15,220円/月(令和5年8月現在)が支給されます。

ただし、障害児福祉手当は以下のように支給要件を定めており、発達障がいの程度によって受給が難しい場合があります。

  1. 身体障害者手帳1級及び2級(一部)の身体障害
  2. 愛の手帳1度及び2度(一部)の知的障害
  3. 1及び2と同等の疾病・精神の障害

これらの支給要件のなかで精神障害に含まれる発達障がいは、日常生活全般で他者の介助が必要な状態でなければ受給が難しいといえます。

身体障がいや知的障がいを伴っている場合は、障がいの程度が重くなるため受給できる可能性がありますが、発達障がいのみでは受給できない可能性があることに注意が必要です。

障害児福祉手当も自治体で申請できるので、支給対象になるかを確認したい場合は自治体の窓口に相談してみましょう。

自治体独自の手当

特別児童扶養手当、障害児福祉手当は国が運営する制度ですが、独自に手当を支給している自治体もあります。

例えば、岡山市児童福祉年金(岡山県)では20歳未満の障がい児を家庭で育てている保護者に年金が支給されます。

障がい者手帳を所持していることが条件となり、身体障がい児は1~3級、知的障がい児はA・B、精神障がい児は1・2級が対象です。

精神障がい児の場合、1級が50,000/年、2級が33,000円/年が支給されます。

支給金額や要件は、自治体によって異なり、国の制度と合わせて受給できる場合もあります。

経済的負担を軽減するためにも、居住している自治体独自の手当がないかを確認しておきましょう。

税の控除や公共料金の割引も受けられる

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精神障害者保健福祉手帳を取得すると、国や自治体の手当を受給できるだけでなく、税の控除や公共料金の割引などを受けられる可能性があります。

控除される金額や割引を受けられる対象機関の例は、以下の通りです。

税の控除【精神障害者保健福祉手帳1級】
・所得税 所得金額から27万円控除
・住民税 所得金額から26万円控除

【精神障害者保健福祉手帳2・3級】
・所得税 所得金額から40万円控除
・住民税 所得金額から30万円控除
公共料金の割引・携帯電話(携帯会社により異なる)
・NHK受信料(世帯全員が非課税の場合、全額免除) など
交通機関の割引・バス
・タクシー
・飛行機 など
公共施設利用料の割引・テーマパーク
・映画館
・美術館や博物館 など

料金の割引額や対象者は各機関によって異なるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。

これらの控除や割引を受けられると、税金の支払い負担が軽減したり外出しやすくなったりするので、対象となる場合は活用しましょう。

20歳になったら障害年金を受給できる可能性がある

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本記事で紹介した手当は、20歳未満の障がい児が受給できる制度ですが、20歳以上になれば、障害年金の対象となる可能性があります。

障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金の2種類に分かれ、障害基礎年金は1・2級、障害厚生年金は1~3級の方が支給対象となります。

1~3級の認定基準は以下の通りです。

等級障がいの状態
1級  ・社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、著しく不適応な行動がみられる
・日常生活への適応が難しく常時介助が必要
2級 ・社会性やコミュニケーション能力が乏しく、不適応な行動がみられる
・日常生活への適応に介助が必要
3級社会性やコミュニケーション能力が不十分で、労働に著しい制限を受ける
※障害基礎年金は1級・2級のみ

障害年金を申請する際は、発達障がいで初めて病院を受診した「初診日」を確認しなければなりません。

20歳前に発達障がいの初診日がある場合は、障害基礎年金のみの受給となるので、1級もしくは2級の認定基準に該当する必要があります。

ただし、20歳を過ぎてから発達障がいが発覚した場合は、障害厚生年金の対象となるケースがあるので、障害年金の受給申請をしてみましょう。

また、障害年金のほかにも、医療費や就労面で支援を受けられる可能性があります。

大人の発達障がいに対する支援については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

発達障がいの子どもを守るためにも手当や助成を受けよう

発達障がいのある子どもは特別児童扶養手当や障害児福祉手当、自治体独自の手当を受給できる可能性があります。

障がいのある子を育てていて十分に働けない場合も、手当を受給できることで経済的負担の軽減が図れます。

ただし、手当によって支給要件が異なるので、該当するかわからない場合は自治体の窓口に相談してみましょう。

手当の受給手続きや申請書の記載方法などわからないことがあれば、社会保険労務士などの専門家への相談がおすすめです。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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