在宅医療は誰でも受けられる?対象者やメリット・注意点について解説

福祉制度
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在宅医療はどのような人が受けられるのか知りたい方は多いのではないでしょうか。

在宅医療とは、自宅などの生活の場で治療や看護、リハビリテーションなどを行うことです。

在宅医療を受ける際は、自宅で過ごしながら治療を受けられるメリットだけでなく、家族の介護負担が増えるなどの注意点を把握しておく必要があります。

そこで本記事では、在宅医療の対象者やメリット・注意点について解説します。

在宅医療を受けるべきかに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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在宅医療とは

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上述した通り、在宅医療とは、自宅などの生活の場で診察や処置、看護、リハビリテーションを受けることをいいます。

在宅医療の対象となる住居には、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった一部の介護施設も含まれているので、施設に入所しながら医療的ケアを受けることもできます。 

在宅医療の対象者や受けられるケアは、以下の通りです。

対象者

在宅医療の対象者は、病院への通院が難しい以下のような方です。

  • がんの終末期で体力が低下している
  • 自宅で緩和ケアを希望している
  • 認知症によって手厚いケアを要する
  • 定期的な医療処置が必要

在宅医療を受ける方の大半は75歳以上ですが、年齢制限はなく、子どもや若年層の方でも利用できます。 

受けられるケア

在宅医療によって受けられるケアは、以下の通りです。

サービス名サービス内容
訪問診療医師が定期的に自宅を訪問して診療や療養上の相談を行う
訪問歯科診療歯科医師や歯科衛生士が虫歯の治療や入れ歯の製作、口腔内の清掃などを行う
訪問看護看護師が主治医の指示のもと、健康状態の確認や点滴・注射などの医療処置を行う
訪問リハビリテーション     理学療法士や作業療法士などが運動機能の回復、日常生活動作の獲得のためにリハビリテーションを行う
在宅訪問薬剤管理指導薬剤師が服薬状況の確認、服薬に関しての相談や指導を行う
在宅訪問栄養食事指導 管理栄養士が栄養管理や食事形態の確認などを行う

本人・家族の希望や医師の指示などによって、サービスを導入するケースが多く、複数のサービスを組み合わせて利用するのが一般的です。

在宅医療の要である訪問診療は、医師が月2回前後、自宅を訪問して診察や検査などを行います。

病院の診察では時間がとりにくく、じっくり相談できないケースも多いですが、自宅であれば症状の変化などを相談する時間も設けやすくなります。

その他のサービスも、医療の専門職が訪問してくれるので、安心して支援を受けられるでしょう。

また、自宅であっても以下のような専門的な処置や検査を受けられます。

処置  酸素療法
点滴
中心静脈栄養療法
褥瘡(床ずれ)処置 など
検査血液検査
尿検査
心電図検査 など

必要な医療機器は、身体に適したものを借りたり購入したりして使用します。

操作が複雑な機器であっても、使用方法の指導や機器交換時のサポートも受けられるので安心です。

一方、在宅医療ではMRIやCTなどの画像検査は行えません。

詳細な検査や治療を要する際は、通院もしくは入院が必要になる可能性があることを認識しておきましょう。

在宅医療の費用

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在宅医療では、以下の費用がかかります。

  • 訪問診療代
  • 薬代
  • 介護サービス費

訪問診療代

訪問診療では、月1回の在宅時医学総合管理料と診療回数に応じた診療費がかかります。

例えば、1割負担の方が月2回の訪問診療を受けた場合は、以下の費用が必要です。

5,400円~4,100円(在宅時医学総合管理料)+約890円×2回(診療費)=約7,000円前後/月  

これらに加えて、検査代や加算、交通費がかかる場合もあります。

交通費は訪問診療先によって異なるので、契約時に確認しておくことが大切です。

薬代

訪問診療で診察を受けたあとは、処方箋を発行してもらえます。

基本的には、近隣の薬局に処方箋を持参して処方を受けますが、持参が難しい場合は薬を配達できる薬局に頼むことも可能です。

配達を頼む場合は、薬代に加えて配達料金がかかるケースがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

介護サービス費

介護サービス費は、以下の介護保険サービスを利用した場合にかかります。

  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 訪問介護
  • 福祉用具貸与 など

訪問看護は、疾患や年齢により医療保険での利用になるケースもあります。

介護保険サービスと費用が異なる場合があるので、詳しくは訪問看護担当者に確認するとよいでしょう。

福祉用具貸与は、介護用ベッドや車椅子などの福祉用具をレンタルすることです。

身体に合った福祉用具を使用することにより、自宅で過ごしやすくなるので、福祉用具貸与が必要となるケースも多いでしょう。

なお、介護サービスを利用すると、所得に応じて1〜3割の自己負担が発生するので、事前にどれほどの費用がかかるのかを介護サービス事業所に確認しておきましょう。

在宅医療のメリット

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在宅医療のメリットは、以下の2つです。

  • 自宅で家族と過ごしながら治療を受けられる
  • 通院負担を減らせる

自宅で家族と過ごしながら治療を受けられる

在宅医療には、自宅で家族と過ごしながら治療を受けられるメリットがあります。

体調のよい時は趣味を楽しんだり、家族と話をしたりするなど、大きな制約を受けずに生活できるのが嬉しいポイントです。

訪問診療や訪問看護などを利用する時間以外は、自由に過ごせるので、精神的なストレスもかかりにくくなります。

ストレスが軽減することで、入院中に比べてよく眠れるようになったり、食欲が上がったりするケースもあります。

通院負担を減らせる

在宅医療は医師や看護師などが自宅に来てくれるので、通院時の負担が軽減します。

通院は往復の移動だけでなく、長時間待ち時間を過ごすなど負担が少なくありません。

さらに、通院すると多数の人と接触することで、風邪などの感染リスクも高まります。

その点、在宅医療は訪問診療医や訪問看護師など決まったスタッフとしか関わらないので、感染の不安を最小限に抑えられるのもメリットといえるでしょう。

在宅医療の注意点

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在宅医療の注意点は、以下の2つです。

  • 家族の介護負担が増える可能性がある
  • 急変時の対応は難しい

家族の介護負担が増える可能性がある

在宅医療を受ける場合は、家族の介護負担が増える可能性があります。

病院や施設では、看護師や介護士など専門スタッフがケアをしてくれますが、自宅では家族が介護を担当することになります。

常時介護が必要な場合、介護者に休息の時間がなく、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。

介護負担を軽減するためにも、特定の人だけに介護負担が集中しないよう、家族で介護を分担したり、介護サービスを利用したりするようにしましょう。

急変時の対応は難しい

在宅医療を受けている人の病状が急変した際、常時スタッフがいない在宅医療では迅速な処置が難しい可能性があります。

そのため、本人や介護者が対応方法について不安を感じるケースもあるでしょう。

急変時に出来る限りの対応をするためにも、あらかじめ対処方法を把握しておくことが大切です。

例えば、かかりつけ医の連絡先を見えるところに掲示したり、介護者が行える応急処置の方法を看護師に聞いておいたりするのが効果的です。

訪問診療や訪問看護ステーションによっては、24時間電話対応をしている事業所もあるので、深夜でも安心して相談できます。

緊急性や受診の必要性なども相談でき、介護者の不安感や精神的負担の軽減につながる点はメリットとなるでしょう。

訪問看護のサービス内容については、以下の記事で紹介しています。

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在宅医療の利用方法

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在宅医療を受けたいときは、病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談しましょう。

入院中であれば、病院のソーシャルワーカーが訪問診療先を紹介してくれます。

すでに自宅で生活している場合は、ケアマネジャーに相談すれば訪問診療や訪問看護の利用調整が可能です。

また、在宅医療を始める前には、医師や看護師と面談する機会もあります。

安心してケアを受けるためにも、気になることや費用など、あらかじめ確認してから利用するようにしましょう。

在宅医療を利用して自宅で治療やケアを受けよう

在宅医療では、通院が困難な方を対象に、医師や看護師、薬剤師などが自宅に訪問して治療やケアを行います。

自宅で過ごしながら治療を受けられるので、リラックスして過ごせる時間が増えるメリットがあります。

一方で、家族の介護負担が増えたり、病状が急変したときの対応が難しくなったりする注意点を押さえておくことが大切です。

在宅医療を受けながら自宅で過ごしたい方は、医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーに相談してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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