要介護度が上がるメリット・デメリット!区分変更申請の流れも解説

福祉制度
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介護保険の区分変更をしようか悩んでいる方のなかには、要介護度が上がるメリットやデメリットを知りたい方もいるのではないでしょうか。

要介護度が上がると、利用できる介護サービスが増えたり施設の入所条件を満たせたりするなどのメリットがあります。

一方で、介護サービス費の支払い額が大きくなる可能性があるため注意が必要です。

そこで本記事では、要介護度が上がるメリットやデメリットを詳しく解説します。

区分変更申請の流れも解説しているので、要介護認定の見直しをしようか悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。

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要介護度が上がるメリット

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要介護度が上がるメリットは、以下の3つです。

  • 利用できる介護サービスが増える
  • 介護サービスの月の上限額が増える
  • 施設の入所条件を満たせる可能性がある

利用できる介護サービスが増える

要介護度が上がると、軽度者が利用できない介護サービスを利用できるようになります。

軽度者は介助の必要性が少ないので、一部の介護サービスでは利用対象外となります。

例えば、夜間対応型訪問介護や看護小規模多機能型居宅介護といった介護サービスは要支援の方は利用できません。 

しかし、要介護1以上に認定されると、これらの介護サービスが利用できるようになります。

つまり、介護の必要性が高くなるほど受けられるサービスの選択肢が広がるのです。

また、原則として要支援、要介護1の方は車椅子や介護用ベッドの貸与対象外ですが、要介護2以上になるとこれらの福祉用具の貸与を受けられます。

身体の状態の変化によって介護の必要性が高くなった方は、区分変更申請をするとよいでしょう。

要介護度による福祉用具の対象品目については、以下の記事で詳しく紹介しています。

介護サービスの月間上限額が増える 

介護サービスを利用する際の月間上限額は、要介護度が上がるにつれて増えていきます。

この上限額を区分支給限度額といい、要介護度ごとの金額は以下の通りです。

要介護度  区分支給限度額※  
要支援15,032単位
要支援210,531単位
要介護116,765単位
要介護219,705単位
要介護327,048単位
要介護430,938単位
要介護536,217単位
※1単位は概ね10円〜11円で計算(地域によって異なる)

これらの支給限度額に収まる分は、所得に応じて1〜3割の自己負担で介護サービスを利用できます。

介護サービスを多く利用したい方にとって、要介護度が上がるのは大きなメリットになるでしょう。

例えば、要介護2の支給限度額は19,705単位ですが、要介護3になると約7,000単位上がるので、その分介護サービスを利用できるようになります。

なお、支給限度額を超過しても介護サービスは利用できますが、超過分は全額自己負担になることを認識しておきましょう。

施設の入所条件を満たせる可能性がある

要介護度が上がると、介護施設の入所基準を満たせる場合があります。

施設ごとの入所基準となる要介護度は、以下の通りです。

介護施設要介護度の条件
特別養護老人ホーム原則として要介護3~要介護5
※要介護1、2はやむを得ない事情がある場合のみ 
介護老人保健施設要介護1~要介護5 
介護医療院要介護1~要介護5 
認知症グループホーム  要支援2、要介護1~要介護5 

要支援の方が要介護になると、これらの介護施設に入所できる可能性があります。

なかでも、特別養護老人ホームは要介護度が高ければ高いほど、入所しやすい傾向があります。

緊急性の高さなどの条件もあるので一概にはいえませんが、早期入所を希望する方にとって、要介護度が上がるメリットは大きいでしょう。

要介護度が上がるデメリット

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要介護度が上がるメリットがある一方で、以下のデメリットも把握しておくことが大切です。

  • 介護サービスの費用負担が増える可能性がある
  • 施設を退所しなければならない場合がある

介護サービス費用が増える可能性がある 

要介護度が上がると、介護サービスの種類によって費用負担が増える可能性があります。

例えば、デイサービスやショートステイは、要介護度が上がるにつれて利用料も高くなる傾向があります。

同じケアを受けていても、要介護度によって費用が異なるサービスがあるので注意が必要です。

なお、毎月の介護サービス費用が一定額を超えた場合、超過分の払い戻しを受けられる制度があります。

この制度を高額介護サービス費といい、一度手続きをすると自己負担上限額を超えた段階で自動的に払い戻しが受けられます。

高額介護サービス費の手続きの流れは、以下の記事で詳しく紹介しています。

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施設を退所しなければならない場合がある

要介護度が上がって、施設の入所条件を満たせなくなった場合は、退所を求められる可能性があります。

例えば、民間の有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)では、身の回りのことを自分でできる状態でなければ入居不可などと要件を定めている場合があります。

区分変更によって要介護度が上がると、入所している施設では十分な介護が受けられないと判断され、より手厚い介護が可能な施設への転居するように促される可能性があるのです。

施設の入居前には、介護体制や退所条件を確認しておきましょう。

区分変更申請の流れ

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介護保険の区分変更申請の流れは、以下の通りです。

  1. ケアマネジャーに相談の上、区分変更申請書を自治体の窓口に提出する
  2. 認定調査が行われる
  3. 一次判定、二次判定が行われる
  4. 認定結果が通知される

区分変更申請をする際は、担当のケアマネジャーに区分変更の必要性を確認することが大切です。

区分支給限度額までサービスを利用していなければ、区分変更をしなくても介護サービスを増やせる場合があります。

上述した通り、要介護度が上がると自己負担額が増える可能性もあるので、ケアマネジャーに相談して本当に区分変更が必要であるかを確認しましょう。

区分変更申請書を提出する際は、以下の書類が必要です。

  • 介護保険被保険者証
  • 個人番号の確認書類
  • 身分証明書

家族が代理で申請する場合は、これらに加えて代理人の身元確認書類や委任状、代理人の印鑑も必要となります。

なお、ケアマネジャーが代行してくれる場合もあるので、本人や家族が手続きに行けない場合は相談してみましょう。

区分変更申請をするときのよくある質問

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ここでは、区分変更申請をするときのよくある質問に回答していきます。

入院中でも区分変更申請はできる? 

入院中も、区分変更の申請は可能です。

病院に許可をもらえれば、病室で認定調査を受けたり主治医意見書の作成を依頼したりできます。

なお、区分変更は申請から結果が出るまでに1ヶ月〜1ヶ月半程度かかります。

退院後から介護サービスを利用するためにも、1ヶ月半前には区分変更申請の手続きをしておきましょう。

区分変更の結果が出る前に介護サービスを利用できる? 

区分変更の結果が出る前でも、介護サービスを利用できます。

介護サービスを利用するためには、サービス利用前までにケアマネジャーに暫定ケアプランを作成してもらう必要があります。

暫定ケアプランとは、見込みの認定結果に基づいたケアプランです。

例えば、要介護3になりそうと見込まれた場合、要介護3の暫定ケアプランに沿って介護サービスを利用します。

ただし、認定結果が非該当になったり想定していた介護度より低くなったりすると、介護サービス費が全額または一部自己負担となる可能性があるので注意が必要です。

適切な要介護度の認定を受けて介護サービスを利用しよう

要介護度が上がると利用できる介護サービスが増えたり、施設の入所条件を満たせたりするメリットがあります。

身体の状態に応じた支援を受けられるようになるので、ケガや病気によって介護量が増えた方は区分変更の申請をしましょう。

ただし、介護サービスによっては毎月の支払い額が増える可能性があることを認識しておくことが大切です。

大きく身体の状態が変わっていない場合は、区分変更をすると経済的負担だけが大きくなってしまうケースがあります。

要介護度の見直しに悩んだ場合は、担当ケアマネジャーに区分変更の必要性を相談しましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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