難病の診断を受けて、働くことへの不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
難病のある人が自分に合った仕事を見つけるには、治療と両立しやすい職場・職種を選んだり、相談窓口や就労支援を活用したりすることが大切です。
そこで今回は、難病のある人が仕事を探すときのポイントを紹介します。
難病のある人が利用できる相談窓口や就労支援も紹介するので、就職活動の進め方や仕事の探し方に悩んでいる方も、ぜひ参考にしてみてください。

難病があっても仕事ができないわけではない

難病があっても、治療を受けながら仕事をしている方は多くいます。
2015年の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査は、難病のある就職活動経験者の約80%が就職に成功しているというデータを公表しました。
しかし、同調査で就職できた人の半数近くが難病を理由に退職しているということもわかっています。
そのため、難病がある方が働き続けるには、自分の体調に合った働き方ができる仕事を見つけることが大切です。
難病のある人が働きやすい仕事を見つけるためのポイント

難病のある人は、以下のポイントを押さえることで、働きやすい仕事を見つけやすくなります。
- 自分に合った働き方を知る
- 治療と両立できる職場・職種を選ぶ
- 就職相談窓口や就労支援を活用する
一つずつ詳しく見ていきましょう。
自分に合った働き方を知る
難病のある人が働きやすい仕事を見つけるには、働くうえで自分ができること・できないこと、気をつけなければならないことを知っておく必要があります。
特に「どのような環境で体調が崩れやすいのか」「どのような働き方なら無理なく続けやすいか」を理解しておくことが大切です。
加えて、主治医に相談し、今の病状や治療の見通しを確認しておくと、自分に合った働き方を見つけやすくなります。
主治医に働く意思を伝えにくい場合は、院内の相談窓口や身近な看護師に一度相談するのも手段の一つです。
また、どのように相談すべきかわからない場合は、難病相談支援センターで助言をもらうのもおすすめです。
治療と両立できる職場・職種を選ぶ
難病のある人は、仕事と治療を両立できなければ、働き続けるのは難しいかもしれません。
難病のある人が治療と両立しながら働くためには、以下のような特徴のある職場・職種を選ぶことが大切です。
- 肉体労働が少ない
- 休みが取得しやすい
- 必要なタイミングで休憩できる
- 出勤日数を調整できる
具体的には、事務職といったデスクワークや、柔軟に休憩がとりやすい専門・技術職が働きやすいといわれています。
就職相談窓口や就労支援を活用する
難病のある方が自分に合った仕事を見つけるには、就職相談窓口や就労支援を活用するのがおすすめです。
就労支援とは、難病や障害を理由に就職が困難な人をサポートする福祉サービスのことです。
就職相談窓口や就労支援のスタッフは、難病のある方の就職活動に関する知識が豊富にあります。
自分に合った仕事や就職活動の進め方を知るためにも、一人で悩まずに就職相談窓口や就労支援を積極的に活用しましょう。
難病のある人が利用できる就職相談窓口

難病のある人が利用できる就職相談窓口には、以下のようなものがあります。
- ハローワーク
- 地域障害者職業センター
- 難病相談支援センター
それぞれ詳しく紹介します。
ハローワーク
就職活動の進め方に不安がある方や、仕事を紹介してほしいという方は、ハローワークに相談するのがおすすめです。
ハローワークには、難病のある方向けの窓口があり、難病を含む障害者雇用に関する情報を得られたり、難病のある方を対象とした求人情報を閲覧できたりします。
なかには、難病患者就職サポーターが配置されているハローワークもあります。
難病患者就職サポーターは、難病のある方の症状を踏まえたうえで、適性の分析や面接同行、就職後のフォローといった細やかなサポートを提供してくれるスタッフです。
どこのハローワークに配置されているかは、厚生労働省のホームページから確認できます。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターとは、難病や障害のある方に向けて、職業相談から職業準備支援まで継続的なサポートを提供する施設です。
職業相談では、職業適性検査を受け、結果をもとに適性職種や就職活動の進め方に関する助言をもらうことができます。
職業準備支援では、働くために必要な作業遂行力やコミュニケーション能力、対人対応力などの向上を目的に、センター内での作業体験や講習、技能訓練が受けられます。
難病相談支援センター
「働きたくても、すぐに就職できる状態なのかわからない」という方は、最初の窓口として難病相談支援センターを利用するのがおすすめです。
難病相談支援センターでは、本人の症状や治療状況を確認し、就労に向けてどのように進めていけばいいのかを一緒に考えてもらえます。
就職活動の進め方だけでなく、日常生活全般における相談・支援も受けられます。
難病のある人が働き始めたいときに利用できる就労支援

難病のある人が働き始めたいときに利用できる主な就労支援は以下の3つです。
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
一つずつ詳しく紹介します。
就労移行支援
就労移行支援とは、一般就労に向けて、能力向上に必要な訓練や適正に合った職場探しのサポートを受けられる福祉サービスです。
就労移行支援は通所することで、主に以下の4つのサービスを受けられます。
- 就職に向けたトレーニング
- 適正に合わせた求人の紹介
- 履歴書の添削や面接指導
- 職場定着の支援
ただし、就労移行支援の利用中は原則、アルバイトが禁止となっているので、収入が得られません。
そのため、通所している間はどのように生計を立てるかを検討しておくことが大切です。
就労移行支援事業所を探す際は、以下のような検索サイトを利用して、プログラムの内容や就職実績などを参考に通いたいところを見つけるのがおすすめです。

就労移行支援を利用するメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
就労継続支援A型・B型
就労継続支援A型・B型とは、障害や難病のある方を対象に、一定のサポートを受けながら働ける場を提供する福祉サービスです。
A型とB型の主な違いは、雇用関係の有無と対象者の年齢範囲です。
就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
対象者 | 原則18歳以上65歳未満 | 年齢制限なし |
雇用契約 | あり | なし |
平均賃金(令和3年度) | 月額81,645円時間額926円 | 月額16,507円時間額233円 |
A型は雇用契約を結んでいるため、都道府県の最低賃金に基づいて報酬が支払われます。
ある程度安定して働ける人はA型、体調面により長時間の就労が難しい人はB型を選択するのが一般的です。
就労継続支援を利用するメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
難病のある人は相談窓口や支援を利用しよう
難病がある方が働き続けるには、自分の体調に合った働き方を知ったり、治療と両立できる職場・職種を選んだりすることが大切です。
主治医やハローワークなどの相談窓口のスタッフに相談しながら、自分の得意なこと・苦手なことを理解しておきましょう。
就職活動の進め方や仕事の探し方がわからない場合は、相談窓口や就労支援を利用するのがおすすめです。
監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
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