視覚障害のある人が活躍しやすい仕事|具体的な業務内容や相談窓口を紹介

2024-1-19 福祉制度
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視覚障害があることで自分に合った仕事を見つけられるか不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

視覚障害のある方が仕事を探す際は、活躍しやすい業界・職種に絞ったり、相談窓口を活用したりすることが大切です。

そこで今回は、視覚障害のある方が活躍しやすい仕事を紹介します。

相談窓口もまとめているので、就職活動の進め方や仕事の探し方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

2024-1-19
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視覚障害のある人の雇用状況

2024-1-19

厚生労働省の「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業で働いている視覚障害のある方は13,959人いることがわかっています。

そのうち、視覚障害のある方の雇用人数が多い上位5つの業界、業種は以下の通りです。

医療、福祉3,702人
製造業2,517人
卸売業、小売業1,657人
サービス業1,446人
情報通信業1,177人

また、公的機関における視覚障害のある方の雇用状況は、以下の通りです。

318人
都道府県365人
市町村946人
独立行政法人335人

視覚障害のある人が活躍しやすい仕事

障害者職業総合センターが2019年に実施した調査では、視覚障害のある方が従事している職種で多いのは、以下の5つとなっています。

職種割合
あん摩マッサージ指圧師32.4%
ビル・建物清掃員7.3%
総合事務員6.3%
工場労務作業員4.0%
施設介護員3.3%

これらの職種は、視覚障害のある方が活躍しやすい仕事といえます。

それぞれの仕事内容や必要な資格を詳しく解説します。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、体の痛みやこりなどの症状を抱えている人に、指圧やマッサージで症状の緩和・改善を促す仕事です。

医師の処方に従って患者のリハビリ治療をしたり、企業内の「ヘルスキーパー」として従業員の変更管理や労災予防などのために施術をしたりすることもあります。

その他にも高齢者施設やスポーツ施設など、活躍の場が多いことが特長です。

医療行為の「あん摩マッサージ指圧」をするには、厚生労働大臣の免許が必要となります。

認定する学校や養成施設で決められた期間(3年以上)学習し、国家試験に合格することで免許の交付を受けられます。

ビル・建物清掃員

ビル・建物清掃員は、オフィスビルをはじめ、店舗や学校、病院などのさまざまな建物の清掃をする仕事です。

ビル・建物清掃は、主に室外清掃と室内清掃の2つがあります。

室外清掃では外壁や窓ガラス、屋上などの清掃、室内清掃では床や壁、トイレなどの清掃やゴミ回収をするのが一般的です。

なお、ビル・建物清掃員になるために学歴や資格は基本的に求められませんが、関連資格として厚生労働省が認定する技能検定の「ビルクリーニング技能士」があります。

総合事務員

総合事務員とは、総務事務員や人事事務員といった特定の型に限定されない事務や、その補助業務を指します。

総合事務員の主な仕事は、以下のような業務が挙げられます。

  • 文書・伝票の作成
  • 書類の分類・整理
  • 帳簿の記帳
  • 電話対応
  • 来訪者の受付・案内 など

視覚障害の状態によりますが、拡大鏡や読み上げソフトなどを活用することで働きやすくなります。

工場労務作業員

工場労務作業員とは、工場内で以下のような作業を行う仕事のことです。

  • 原材料の搬入
  • 製品・商品の搬出
  • 機械の清掃や燃料の補充
  • 廃棄物分別
  • 構内清掃 など

実際にどのような仕事に従事するかは、工場の形態や規模によって異なります。

施設介護員

施設介護員は、高齢者や、障害があることで自立して日常生活を送るのが難しい人などが入所もしくは通所する施設で利用者のサポートをする仕事です。

生活全般の自立が困難な人には、食事や入浴、排泄の手伝い、身体を動かすときの介助などを行います。

学歴や資格は必要とされていませんが、大学や専門学校で社会福祉を学び、介護福祉士などの資格を取得している人が多くいます。

視覚障害のある人が仕事を探すときのチェックポイント

障害のある方が仕事を探すときは「通勤しやすい職場か」や「働きやすい職場か」をチェックしておくことが大切です。

それぞれのチェックポイントを詳しく見ていきましょう。

通勤しやすい職場か

視覚障害のある方が仕事を探すときは、安全に通勤しやすいところに職場があるのかを確認しましょう。

電車で通勤する場合は、駅や電車の混雑状況、転落防止のホームドアが設置されているかなどをチェックします。

盲導犬のサポートを受けている方は、盲導犬と一緒に通勤できる会社を見つけられると、安心して通勤しやすいでしょう。

たとえば、職場内に盲導犬の待機場所が確保できる会社を選ぶのがおすすめです。

加えて、盲導犬と通勤している人をすでに雇用している会社であれば、よりサポートを受けやすいでしょう。

働きやすい職場か

自分にとって働きやすい職場かどうかも、仕事を探す際にチェックすべきポイントです。

たとえば、以下のような支援機器を導入している企業であれば、視覚障害のある方も働きやすいといえます。

  • 拡大読書器
  • 点字ディスプレイ
  • 音声電卓
  • 音声読み上げソフト

また、バリアフリー化が進んでいたり、フレックスタイム制を導入したりしている企業も働きやすい傾向があります。

視覚障害のある人が利用できる就職相談窓口

2024-1-19

就職活動の進め方や自分に合った働き方に悩んでいる場合は、視覚障害のある方が利用できる以下の就職相談窓口を活用してみましょう。

  • ハローワーク
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • 就労移行支援事業所

それぞれ詳しく紹介します。

ハローワーク

就職活動の進め方に不安がある方や、仕事を紹介してほしいという方は、ハローワークへの相談がおすすめです。

ハローワークには、障害のある方向けの窓口があり、障害者雇用に関する情報を得られたり、障害のある方が対象の求人を閲覧できたりします。

また、職業相談員や障害者専門支援員などが配置されているので、障害の状態や適性に合わせたサポートも受けられます。

障害者手帳を持っていない方でも利用できるので、仕事探しに悩んでいる方は、気軽に相談してみましょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、以下のような支援を行っている機関です。

  • 就職相談支援
  • 就職準備支援(職場実習または職業準備訓練のあっせんなど)
  • 職場定着支援(職場訪問による適応状況の把握など)

就業面だけでなく、日常生活全般における支援も受けられるので、漠然とした悩みや不安がある人でも気軽に相談しやすいです。

近くの障害者就業・生活支援センターは、こちらから確認できます。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害のある方の就職や職場定着のための職業相談、職業準備支援などを提供している施設です。

職業評価の結果をもとに適性職種や就職活動の進め方に関する助言を受けられます。

職業準備支援では、働くために必要な作業遂行力やコミュニケーション能力、対人対応力などの向上を目的に、センター内での作業体験や講習、技能訓練が受けられます。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、一般就労に向けて能力向上に必要な訓練や適正に合った職場探しのサポートを受けられます。

具体的には、以下のような支援を提供しています。

  • 就職に向けたトレーニング
  • 適正に合わせた求人の紹介
  • 履歴書の添削や面接指導
  • 職場定着の支援

ただし、就労移行支援の利用中は原則、アルバイトが禁止となっているため、収入が得られません。

就労移行支援を受ける場合は、どのように生計を立てるかを検討しておくことが大切です。

就労移行支援事業所を探す際は、検索サイトを利用して、プログラムの内容や就職実績などを比較しながら通いたいところを見つけるのがおすすめです。

就労支援事業所を探す - 障がい者としごとマガジン
障がい者としごとマガジンの事業所検索ページです。各事業所の特徴、利用者の声、就職実績などの情報を掲載。全国の就労支援事業所からご自身が通える事業所を検索することができます。

就労移行支援を利用するメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

視覚障害のある人は相談窓口を利用してみよう

視覚障害のある方は、あん摩マッサージ指圧師や総合事務員など、幅広い職種で活躍しています。

どのような仕事が自分に向いているのか悩んでいる場合は、本記事で紹介した視覚障害のある方が活躍しやすい仕事を参考にしながら、働きやすい職場を見つけてみましょう。

あわせて盲導犬の待機場所があるなどの通勤しやすい職場を選ぶことも大切です。

就職活動の進め方や仕事の探し方がわからない場合は、相談窓口の利用を検討してみましょう。

監修者:東本 隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

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